スペイン戦を境に流れは悪く…不安は的中
その一方でスウェーデンは、ただ肉弾戦と心理戦を仕掛けていたわけではなかった。2トップはイタリアの最終ラインにプレッシャーを掛け続け、組み立てを阻害。新鋭ヴィクトル・リンデレフにベテランのアンドレアス・グランクヴィストのCBコンビも、エリア内のスペースをきっちりと潰すとともにイタリアの2トップから目を離さず、空中戦でも勝ち続けた。
かつてユベントスやカリアリで活躍したアルビン・エクダルも、故障退場するまでは的確にパスを散らしてゲームを作る。そしてライプツィヒで活躍中のエミル・フォルスベリは縦横無尽に動いてボールに触り、繊細なテクニックを活かしたチャンスメイクで10番としての責任を果たしていた。
他方イタリアのサッカーには、そんなスウェーデンを制するための戦略も意欲も見えなかった。3-5-2は、相手に引かれて固められたら打つ手なし。縦パスのコースが塞がれているので、最終ラインはのろのろと横パスを回し、展開を遅らされた挙げ句攻められるのはサイドだけ。それも右のアントニオ・カンドレーバの個人技に頼るか、左のマッテオ・ダルミアンが良いタイミングでヴェラッティからパスを貰えた時に限られていた。
当然、外からのクロスは高さのあるスウェーデンのCB陣の前に弾かれてしまう。ともにファーストトップであるチーロ・インモービレやアンドレア・ベロッティも、エリア内にまともなボールが入らなければ点の取りようがない。また彼ら自身にも、スウェーデンの緊密な守備組織の中でスペースを捻出する動きの工夫に欠けた。屈強なシモーネ・ザザが、直前に故障したのも痛かった。
ただ攻撃のアイディアを欠いた挙句、相手の守備陣の前で右往左往するアズーリの姿は、何もこのプレーオフに限ったことではない。予選中、スペイン戦に敗れてからはずっとこうだった。振り返ってみれば、あの試合での惨敗を境に4-2-4から3-5-2へとシステムが変更されたものの、試合運びは安定しないばかりかこれまで培った攻撃の連動まで破壊された印象が強い。そのままの流れでプレーオフへ来れば、苦戦の末の敗戦という今回の結果は番狂わせどころか、さもありなんだ。
「第2戦がある。13日のサン・シーロでは、我われのファンは後押ししてくれるはず」とヴェントゥーラ監督は前向きに語った。だが、自チームが不甲斐無ければ遠慮せずブーイングを浴びせるような人たちが、この日のイタリアのパフォーマンスを見せられて応援をしてくれるのだろうか? 「歴代最悪の試合」「このイタリアにW杯に行く資格はない」。試合後にソーシャルメディアをちらっと覗いただけでも、地元のファンは相当ネガティブな反応を示している。
(取材・文:神尾光臣)
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