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久保裕也にブーイング、森岡亮太に拍手。ベルギーのファンが示した愛情とライバル心

text by 編集部 photo by Getty Images

久保裕也 森岡亮太
ブルージュで久保裕也(左)はブーイング、森岡亮太(右)は拍手で迎えられた【写真:Getty Images】

 現地時間14日に行われた国際親善試合で、日本代表はベルギー代表に0-1で敗れた。

 この試合の後半、選手交代時にスタジアム内のファンが興味深い反応を見せた。日本が久保裕也の投入を準備すると、観客席からは大ブーイングが飛ぶ。一方、森岡亮太の交代時にはブーイングがなく、温かく迎えられた。

 2人への対応の違いはなんなのだろうか。ベルギー紙『Het Nieuwsblad』は「アンチ・バッファロー」の叫びだと報じている。バッファローは久保が在籍するKAAヘントの愛称で、同クラブは日本対ベルギーが開催されたブルージュを本拠地とするクラブ・ブルージュのライバルでもある。

 実はベルギー代表でもMFスティーブン・デフールが途中出場時に痛烈なブーイングを浴びた。同選手は現在プレミアリーグのバーンリーに在籍しているが、過去にゲンクやスタンダール・リエージュ、そして国内屈指の強豪アンデルレヒトと渡り歩いており、ブルージュのファンはその経歴に不満を示したと見られる。ヘント在籍歴はなく、選手個人への嫌悪感から発生したもののようだ。

 森岡がブルージュで歓迎されたのは、今季から在籍するワースラント・ベフェレンという小クラブで7ゴール7アシストと結果を残し、孤軍奮闘する姿がベルギーで認められたからなのかもしれない。『Het Nieuwsblad』紙は森岡への反応が「意図的にはできなかった」と伝えており、一体になったスタジアムの観客が自然に歓迎の意思を示したとしている。

 ライバルクラブに在籍した、あるいは在籍席している選手には厳しく、一方で実力を認めた者は温かく迎える。ブルージュのヤン・ブレイデル・スタディオンに集まった2万5000人は心の底からフットボールを愛する人々だった。

【了】

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