フットボールチャンネル

ACL制覇に歓喜のR・シルバ「メダルの枠が家で待ってる」。クラブW杯は「日本背負う」

text by 編集部 photo by Getty Images

ラファエル・シルバ
ラファエル・シルバが終盤に勝負を決める値千金のゴールを奪った【写真:Getty Images】

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝2ndレグが25日に行われ、浦和レッズはホームでサウジアラビアのアル・ヒラルに1-0で勝利。そして1stレグとの2戦合計スコアで2-1とし、10年ぶりのアジア制覇を成し遂げた。

 勝利を決定づけるゴールが生まれたのは試合終了間際の88分。武藤雄樹のパスに反応したラファエル・シルバが相手のミスを見逃さず飛び出し、強烈なシュートでゴールネットを揺らした。その瞬間を「はっきり覚えていない」という歓喜のブラジル人FWは「無邪気に走りましたし、泣きました」と全身で感情を爆発させた。

 悲願のアジア制覇に、ラファエル・シルバは「言葉にならない喜びです。自分たちの第一の目標を達成することができて、クラブの歴史の一部になることができて、本当にチームに感謝しています」と、ラファエル・シルバ。

 他の選手たちが首にメダルを提げて取材エリアに出てくる一方、「持ってきていいかどうかわからなかった」とお茶目な一面を見せる一方、「メダルがしっかりと入る枠は家で待っているので、そこ素晴らしいメダルを飾ろうと思っています」とタイトル獲得を誇った。

 1-1で終えたアウェイでの1stレグの後、自身のSNS上には人種差別的な意味を持つコメントが殺到したが、ラファエル・シルバの精神は強靭だった。そういった出来事に動じず、そして負傷を抱えていながらも弱音を吐かず、最後まで走りきった。

「嫌がらせというのは、僕は個人的に受け止めていないですし、それで僕の心を傷つけることはなかったと思うんです。僕は彼らと同じ人間の1人として生きていますし、僕からの回答として何が一番正しいかというと、何かをするよりもピッチの中で自分の仕事を見せるのみだと思う。もう子供ではないですし、同じようなレベルで返すわけにはいかない。自分はプロとしてピッチの中で(自分の力を)見せることができて、とても幸せに思っています」

 次なる戦いの場はクラブW杯。世界を相手に浦和の実力を見せつける大きなチャンスとなる。ACL決勝で2試合連続ゴールを記録したラファエル・シルバは、「自分たちのマックスを出しながら、日本を代表としてしっかりと日本の国旗を背負って、世界に自分たちの持っているサッカーを見せていきたい」と、来月に迫った大舞台への決意を語った。

(取材・文:舩木渉)

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top