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Jリーグ 6年前

阿部浩之&家長昭博という川崎Fの+α。優勝に多大な貢献、勝負強さ発揮した新戦力

text by 藤江直人 photo by Getty Images

8人の選手がボールに関与した13秒間

 アルディージャのゴール前は、必然的に守りが薄くなっていた。家長からクロスが送られてくることを察知したのか。小林は一瞬のスキを突いてマークされていた高山から離れて、ポッカリとスペースが空いていたファーサイドへ流れていく。

 次の瞬間、以心伝心でクロスへスライディングしながら飛び込む。直前でワンバウンドする難しい状況だったが、ボールが弾んだ直後に右足を巧みに合わせ、ゴールへ流し込んだ。加藤もただ見送るだけの美しすぎる連係から、アルディージャの戦意を完全に萎えさせる3点目が生まれた。

 ゴールネットが揺れた時点で59分1秒。谷口から数えて延べ8人の選手が関与した13秒間で、相手に一瞬たりともボールを触らせない完璧なゴール。この瞬間にゴール数を「22」に伸ばし、得点王争いでFW杉本健勇(セレッソ大阪)に並んだ小林は真っ先に家長のもとへ駆け寄った。

 眩いばかりの笑顔が弾む。前半終了間際の2点目に続いて、小林のゴールをアシストした家長も表情を崩す。ピッチを離れれば寡黙な家長と抱き合った際にこんな言葉を耳打ちされたと、試合後の取材エリアで小林が明かしてくれた。

「アキ君(家長)が『絶対に悠があそこにいてくれると信じていた』と言ってくれたので。本当に完璧でしたね。崩し方も最高でしたし、アキ君には本当に感謝したいですね」

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