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北朝鮮代表を包む緊張感。韓国メディアが殺到、熊本FWアン・ビョンジュンが10番に

text by 編集部 photo by Wataru Funaki

リ・ヨンジ
朝鮮民主主義人民共和国代表の中でただ1人、讃岐に所属するリ・ヨンジはハーフパンツ姿で練習に現れた【写真:舩木渉】

 朝鮮民主主義人民共和国代表は7日、EAFF E-1サッカー選手権2017決勝大会(E-1)に向けて、試合会場となる味の素スタジアムで公式練習を行った。

 予定よりも5分ほど早くピッチに現れた朝鮮民主主義人民共和国代表のフィールドプレーヤーたちは、トップスが赤、パンツが黒のプーマ社製トレーニングウェアを着用していた。ただ、Jリーグでプレーしている3人と欧州組の1人は、他の国内組の選手たちと異なるウェアだった。

 GKの3人はメーカー名の印字がないグレーの試合用と思われるユニフォームでトレーニングを行っていた。スパイクはほとんどの選手がアディダス社製のものを履いており、やはり海外組の選手たちはそれぞれが普段履いているものと思われる別ブランドのものを履いていた。

 練習は軽いランニングから始まり、ピッチを大きく使ってのパス交換などで芝の感触などを確認しているようだった。冒頭15分間が終わると非公開となり、公式練習だったがメディア対応は一切なかった。

 Jリーグから朝鮮民主主義人民共和国代表に合流している3選手の姿も確認できた。なお、カマタマーレ讃岐に所属するMFリ・ヨンジが「16番」、町田ゼルビアに所属するDFキム・ソンギが「7番」、そしてロアッソ熊本に所属するFWアン・ビョンジュンが「10番」を着用する見込みであることも明らかになった。

 朝鮮民主主義人民共和国代表はスタッフの数が非常に少なく、練習のフィールド作りなどの準備をヨルン・アンデルセン監督自らが行う姿も見られた。一方でメディアの注目度は高く、多くの韓国メディアが選手たちの一挙手一投足を追っていた他、世界中にニュースを配信している大手通信社も練習の様子に熱心にカメラを向けていた。

 アンデルセン監督は7日に行われたE-1の公式記者会見で「かなり良くなってきている」と讃岐でプレーするリ・ヨンジに期待を寄せていた。また、ベガルタ仙台に所属するリャン・ヨンギは負傷により招集を断念せざるをえなかったという。

 男子のE-1は9日に開幕し、朝鮮民主主義人民共和国代表は初戦で日本代表と対戦する。「優勝候補ではないと思っている。日本戦はものすごく厳しくなるのはあらかじめわかっている」とアンデルセン監督は謙虚な姿勢を貫いていたが、東アジアの頂点に立つため、ベールに包まれた”アンダードッグ”は緊張感とともに着々と準備を進めている。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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