「結果がすべて」。浦和にのしかかる本田の言葉
パチューカにとってカサブランカ戦は一戦必勝の覚悟だった。「2試合目に行かないと。1試合勝つことがノルマだった」と本田が明かす。本人も内容が良くなかったことを認めているが、「最も重要なのは勝つこと」と断言している。
果たしてその覚悟が浦和にあっただろうか。「内容はどうでもいい大会」とまで本田は言い切った。そして「結果がすべて」と。
これほどまで浦和に重くのしかかる言葉があるだろうか。W杯、欧州チャンピオンズリーグなど幾多の経験を積んできた本田は、それだけ辛酸をなめたことも多い。だからこそ分かっているのだ。評価とは結果に対してのみついてくることを。
浦和にとってあまりに高い授業料となった。ACL優勝は国内外で賞賛されたが、一度の敗戦で多くの批判にさらされる。継続して結果を出し続けなければならないのだ。
本田は浦和の試合開始直前、こんな言葉を残している。
「最近、特にアジアでも(Jクラブが)勝てないという話を聞く。Jリーグ組は納得いってないだろうと思いながら、今回(ACLを)もぎとれたのは彼ら自身もしてやったりみたいなことはあるんじゃないかな。
だから一喜一憂せず、次(優勝するのが)9年ぶりとならないように。前回の反省を活かして、地に足の着けてやっていくことが今のJリーグに重要なんじゃないかと」
まさに金言である。こんなにも早く浦和に突き刺さるとは本田自身も予想していなかっただろうが。
(取材・文:植田路生【アブダビ】)
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