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香川真司 6年前

香川真司、2戦連発弾へ先発濃厚。「即決」で手にした得点と新監督の信頼

ボルシア・ドルトムントは16日、ホッフェンハイムと対戦する。前節から新監督体制がスタートし、香川真司は好スタートを切った。考えて行動を起こし、その結果得点を挙げた。2戦連発の可能性も十分。良い形で2017年のリーグ戦を締めくくりたい。(取材・文:本田千尋【ドイツ】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

新体制で委ねられた「決定権」

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新体制初戦で久々の白星を手にしたドルトムント【写真:Getty Images】

 きっかけを掴んだ。12月12日に行われたブンデスリーガ第16節。ペーター・シュテーガー新監督によって、守備が改めて整備されたボルシア・ドルトムントは、1.FSVマインツに勝利を収めた。ただの1勝ではない。DFBポカール2回戦を除けば、およそ2ヶ月半ぶりの白星である。長い苦境を抜け出すための足がかりを、ようやく得たのだ。

 1.FCケルンを率いていた時代を引き合いに、シュテーガー氏は[4-3-3]を得意としていない、という私の見立ては誤っていた。2-0で完勝したマインツ戦では、ピーター・ボス前監督の後を継ぎ、[4-3-3]の布陣を採用。試合後にはボス氏を立てるコメントを残したシュテーガー監督は、「選手たちの能力に合わせて戦術を考えるのが監督の役目」と語った。

 その「選手たちの能力」を尊重する姿勢は、マインツ戦の77分に見て取れる。70分にマハムート・ダフートが投入されたことで、左にポジションを移していた香川真司は、ベンチに駆け寄ってシュテーガー監督に“確認”した。

「ラファ(エル・ゲレイロ)がトップ下やってたんで、『ラファがトップ下でいいのか』って話をしたら、『それはお前が自由に変わっていい』、って。そうしたらもう即決ですよね。確実に俺がトップ下に行ったほうがいいですし、ラファも『ウイングのほうがいい』って言ってたんで。まぁラファもそうとう疲れてたんで、俺が左かなと思ったんですけど、そこは結構『決めていい』って言われたんで、じゃあもうトップ下のほうが上手くいくと思ったんで、そうしました」

 その後、[4-4-1-1]の「トップ下に行った」香川は、89分に決勝点を決めている。シュテーガー監督が、背番号23にポジション変更の決定権を委ねたことで、2点目は生まれたとも言えるだろう。「そうとう疲れてた」ゲレイロがトップ下に居座っていたら、そもそもアンドリー・ヤルモレンコが競ったボールを、香川がピエール=エメリク・オーバメヤンにヘディングで送ることは出来なかっただろう。それから「即決」と強気の日本人MFは、ゴール前に走り込んで、オーバメヤンからのパスを押し込んでいる。

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