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【英国人の視点】Jリーグはプレミアに憧れるべからず!? 監督と審判、年末年始の時代遅れな2大茶番劇

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

もはや時代遅れ。現代サッカーのスピードに取り残されたのは…

ヴェンゲル
アーセナルのアーセン・ヴェンゲル監督も度々審判を批判して話題になるが…【写真:Getty Images】

 ヴェンゲルの不満はPKの判定だけに収まらない。試合全体のマネジメントに関しても批判を繰り出した。

「GKが前半5分から時間稼ぎを始めてしまい、私は第4審判に話をすることがある。『サッカーを観るために高い金額を払っているファンがいる。ピッチ上でサッカーをさせる責任は君たちにある』と。我々と同じように、審判たちも試合に奉仕するべきだ。彼らがスターになる必要はない」

「2018年にもなって、審判が選手を呼びつけて1分や1分半も話をするのはもはや適切なことではない。主審が選手に『ちゃんとしなければ罰するぞ』などと言うのは1950年代の話だ。時間を無駄にするのはやめようではないか。そんなものは現代社会のリズムに合わない。望まれているのは機敏で迅速なアクションだ。審判はそれを実現するよう努めなければならない。我々は暗黒時代に生きているのではない」

「心理戦」がプレミアリーグの名物となって久しい。その戦術の熟練者であるモウリーニョとヴェンゲルの2人が、それぞれ異なる審判へのアプローチを通して、今後の試合の重要な場面での判定を自分たちに有利なものにさせたいと望んでいることは明白だ。

 ミスについて議論することが重要であるのは間違いないとしても、その一部について不満を言い続けることはもはや時代遅れとなりつつある。現代のサッカーに取り残されようとしているのは審判たちではなく2人の監督自身なのかもしれない。

(取材・文:ショーン・キャロル)

【了】

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