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Jリーグ 6年前

柏が体現する“強化の三本柱”。目指し続けた頂点へ…指揮官が口にする「ACL制覇」の野望

text by 鈴木潤 photo by Getty Images

攻守両面の補強で弱点の克服を

江坂
今季の新戦力の中でも「新10番」の江坂任はすでにトップ下として定位置を掴みつつある【写真:Getty Images】

 新戦力の中で早くもスタメンの座を確保する江坂は、トップ下の位置でビルドアップにも加わりながら、味方からパスを引き出し、クリスティアーノや伊東純也、ハモン・ロペスとのスムーズな連携を奏で、下平監督から「まるで昨年からチームにいたと思うぐらいにフィットしている」と高い評価を受けている。

 これによって、昨季までのサイドへ偏る傾向のあった攻撃には、中央のコンビネーションが頻繁に見られるようになっている。キャンプでも攻撃バリエーションを増やす取り組みが積極的に行われ、クリスティアーノ、伊東の“個の突破”とともに、複数人による連動した崩しが今年の攻撃パターンの一つとして期待できる。中央の崩しが確固たる形になれば、伊東とハモン・ロペスの両翼の破壊力もまた倍増する。

 当然戦力の増強を図ったのは攻撃面だけではない。昨季の柏はJ1で4番目に少ない34失点の守備を誇ったが、見方によれば絶体絶命のピンチではGK中村航輔の神がかりなセーブが飛び出したことで救われたケースも多かった。

 特に柏は20代前半の選手が主力を担う若いチームである。球際でのバトルにおいては常々物足りなさを感じさせ、シーズン後半戦に対戦相手がハイボールを入れてきた際にはね返せず、脆さを露呈して多くの失点を献上した。柏がさらに上の順位を狙うならば、デュエルの強度向上とエアバトルの弱点克服は急務となっていた。

 中盤から後方も、それらの弱点の克服を念頭に補強が行われた。新潟から攻守に激しいボランチ小泉慶を獲得し、最終ラインには横浜F・マリノスから身長188センチの大型CBパク・ジョンス、さらに昨季J2の全42試合に出場し、頻繁に上下動を繰り返せるタフな亀川諒史をアビスパ福岡から加え、攻撃陣も含め全体的に選手層は厚みを増した。

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