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日本代表 6年前

中島翔哉、ポルトガルでの成長示す時。ハリルJで証明したい爆発的な局面打開力

text by 元川悦子 photo by Getty Images

日本代表の左サイドは激戦区だが…

 ポルト、ベンフィカ、スポルティングCPの「ポルトガル3強」と対戦経験を積み重ね、世界基準を体感したことも大きかった。「上の3チームはレベルが違うというか、プレーのスピードも速い。すごくやっていて楽しかった」と彼は言う。

 もちろんマリとウクライナはポルトやベンフィカとは異なる特徴のチームではあるが、真っ向から勝負しなければ戦えない強豪には変わりない。そういう相手と対峙しても、常に楽しんでプレーできる中島の強心臓ぶりは非常に頼もしい。それはぜひとも代表に持ち込んでほしい部分だと言える。

 こうした強みをしっかりと出せれば、彼がロシアワールドカップのラストピースになる可能性は少なからずある。「自ら局面を打開し、ゴールまで持ち込める存在」をハリルホジッチ監督が心待ちにしているのは、紛れもない事実なのだ。

 指揮官がそう考えるのも、最近の日本代表の左サイドに物足りなさを感じているからだろう。これまで左の一番手は原口元気(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)が担ってきたが、最終予選序盤で4試合連続ゴールを記録した頃の迫力と切れ味が昨年の彼には感じられなくなっていた。

 今年1月に出場機会を求めてヘルタ・ベルリンからドイツ2部のデュッセルドルフへ移籍。いきなり得点して復調の兆しを見せたが、2月初旬に脳しんとうのアクシデントが発生。約1ヶ月が経過した今、ようやく支障なくプレーできる状態に戻ってきた。とはいえ、今回の代表2連戦でどこまでやれるかはまだ未知数のところがある。そこは不安要素と言わざるを得ない。

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