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日本代表 6年前

中島翔哉、ポルトガルでの成長示す時。ハリルJで証明したい爆発的な局面打開力

昨年夏に加入したポルトガル1部のポルティモネンセで大ブレイクを果たし、ついに日本代表初招集となった中島翔哉。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いるチームにおいて求められるのは「1対1で相手を抜く」ことだ。ロシアワールドカップでのラストピースになれるか、ギリギリで激しい競争に飛び込む心境に迫った。(取材・文:元川悦子【リエージュ】)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

ハリルからの大きな期待。中島の傑出した突破力

中島翔哉
中島翔哉がサムライブルーのユニフォームに袖を通すのは2016年のリオデジャネイロ五輪以来となる【写真:Getty Images】

「中島(翔哉=ポルティモネンセ)は爆発的なスピードを持っているので1対1で相手を抜けるかもしれない。このようなプレーはなかなか日本人には出せないので大事な選手になる。クラブで9得点6アシスト(16日のビトーリア・セトゥバル戦で7アシスト目を記録)と結果を残しているので、それを日本代表で見せてくれればいい。それができるのかどうか、見極めをしなければいけない」

 15日に行われた3月のマリ戦(23日)・ウクライナ戦(27日)2連戦に挑む日本代表メンバー発表会見で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は今季参戦したポルトガルでブレイク中のアタッカーへの期待を隠さなかった。
 
 2018年ロシアワールドカップ本大会直前のA代表初招集で一躍注目の的となった中島は、19日のリエージュでの初練習に合流。U-17代表、リオデジャネイロ五輪代表時代を通して仲のいい植田直通(鹿島)と談笑するなど、日の当たる舞台でプレーできる喜びを体いっぱいに押し出していた。

「五輪の時に一緒にやってた選手もいるので、すごい懐かしい感じはありました。(2015年)アジアカップ前に練習に参加したこともあるので、そんなに違和感はなかったです」と本人も満面の笑みを浮かべた。新天地・ポルトガルで目覚ましい成果を挙げたことで精神的な余裕を手にしたのだろう。

 昨年8月末に異国へ赴いた時点で、身長164cmの小柄なテクニシャンがどこまで通用するのかは全くの未知数だった。実際、3年半過ごしたFC東京では公式戦の出番が限られていて、同クラブU-23チームの一員としてJ3に出場することもあったからだ。

 しかしながら「ポルトガルはボールを持ったら前を向いて仕掛けていくという自分の特徴を出しやすい環境にある。もともと自分に合っていた」と自身が言うように、中島は新たな環境で水を得た魚のように躍動。持ち前の推進力とフィニッシュの迫力を存分に発揮し始めたのだ。

 先に在籍していた東京ヴェルディジュニアユースの後輩・亀倉龍希に言葉の面でサポートを受けながら、ヴィクトル・オリベイラ監督や仲間の信頼を勝ち取り、左サイドで高度な技術とスピードを出せる環境を作り上げたことが、今季大躍進の一大要因と言っていい。

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