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日本代表 6年前

原口元気、復活への確信。独2部で取り戻した鋭さ、「日本の生命線」で見せたい破壊力

text by 元川悦子 photo by Getty Images

独2部移籍で復活した原口。脳しんとうも経験し…

原口元気
今年1月よりフォルトゥナ・デュッセルドルフに活躍の場を移した原口【写真:Getty Images】

 その後、11月の2連戦でも連続して先発に名を連ねたものの、本来のタテへの鋭さが影を潜めてしまった。「あの時の自分のパフォーマンスは好きじゃなかったし、自分自身に納得いっていなかった。やっぱりドイツで試合に出ていなかったんで難しかった」と本人も悔しさをにじませた。

 今年1月、原口は試合出場機会を求めてブンデスリーガ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフ移籍を決断する。ブンデスリーガ1部からのオファーがあったにもかかわらず、あえて2部を選んだのは、フリームヘルト・フンケル監督が非常に高く評価してくれたからだ。

 実際、ドイツ人指揮官は移籍直後の1月24日のエルツゲビルゲ・アウエ戦で早々と原口をデビューさせ、続く28日のカイザースラウテルン戦では先発に抜擢している。その期待に応え、彼は2戦目PKを決め、ヘルタでは長らく奪っていなかったゴールの感触も味わった。

 これを機に、不足していた試合勘を取り戻していくだろうと前向きなムードが漂ったが、2月2日のザントハウゼン戦で相手選手と接触。脳しんとうを起こして1ヶ月もの長期離脱を強いられる。最初の10日間は安静にしなければならず、映像や音楽に触れるどころか、携帯電話を見ることさえも禁じられた。「あれはホントにきつかった」と原口がしみじみと語っていた。

 3月に入ってからようやく公式戦復帰を果たし、代表合流直前の16日のビーレフェルト戦ではほぼ90分出場。「やっと楽しくサッカーができた」と安堵感を吐露していた。3試合連続でピッチに立ったことで、普通の状態でプレーできることも確認できた。だからこそ、原口は今、持ち前の豊富な運動量と走りを前面に押し出したいと強く願っている。「今の自分なら代表攻撃陣を活性化できる」という確固たる自信と手ごたえもつかんでいる様子だ。

「デュッセルドルフでやった5~6試合がすごく自信になっているし、感覚もよくなっている。デュッセルドルフでは攻撃に集中してやれてるし、ボールもヘルタよりもいい形で入ってくるシーンが多いんで、ヘルタにいた時にはなかったような攻撃的な感覚がつかめています。必死に頑張り続けたヘルタ時代とは違って、今は攻撃に頭を割く時間も多い。自然にアイディアが出てくることも多くなりました」

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