マルセロはウイングにもボランチにもなる。戦術の鍵を握る天才的サイドバック【西部の目】

2018年04月05日(Thu)10時20分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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戦術のカギを握るポジション

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マルセロはウイングにもボランチにもなる【写真:Getty Images】

 天才的なレフティのうえに、サイドバックはポジションがら天性のスピードの持ち主である。インスピレーションがあって、上手くて、そのうえ速いのだからプレーするのが楽しくて仕方ないだろう。

 現代サッカーにおけるサイドバックは戦術的なキーポジションでもある。

 現代のサイドバックはもはやサイドの守備者ではない。大きくポジションを上げてウイングとしてプレーする。むしろサイドアタックの主役はFWよりもサイドバックになっている。さらに近年はプレーメーカーとしての役割も担うようになった。タッチライン沿いではなく、中央へ移動して組み立てにより関与する。こちらはいわばサイドバックのボランチ化で「偽サイドバック」とも呼ばれる。

 サイドバックがウイング化するかボランチ化するかは、チームの構成によって決まってくる。前線のサイドにFWを張らせるチームなら、サイドバックはボランチ化して中央で組み立てに加わる。それによってウイングへのパスコースを開けることもできる。ウイングが中へ移動するタイプなら、サイドバックはタッチライン沿いに上がってウイング化する。

 ただ、サイドバック本人の適性もあるので必ずそうなるわけではない。ブラジル代表が強力なのは、サイドバックがウイング化もボランチ化も可能というところである。とくにマルセロはどちらの役割をやらせても抜群に上手い。

 実際、ブラジルのビルドアップにおける優位性にはかなりの部分でマルセロが関わっている。相手の守備のやり方を見定めてからポジショニングを決めているからだ。相手のプレスの仕方を見て、常につかまりにくいほうへ基点を置く。セレソンの場合はカゼミーロ、レナト・アウグスト、フェルナンジーニョ、パウリーニョとボランチの人材が揃っているが、技術的にはマルセロのほうが上手い。

 後方のプレーメーカーはむしろ両サイドバックになるケースが多く、マルセロの左サイドがゲームを有利に動かしていくきっかけを作っている。

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