ハリル氏は「軍曹」にあらず。周囲の人々が語る知られざる素顔と、解任理由への違和感

2018年04月11日(Wed)16時04分配信

text by 小川由紀子 photo Getty Images
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まっすぐ故にトラブルも。PSG時代に味わったトラウマ

 厳格なイメージのハリルホジッチ氏には尻込みする選手も、イタリア系でおっとり朗らかなバロンケッリ氏には何でも話せたため、アシスタント時代は選手と監督の間のクッション役を務めていたという。彼のような仲介役がいれば、日本代表でのコミュニケーション問題も違っていたのだろうか。

 いずれにしても、バロンケッリ氏にとっては、常に自分が行くべき道をはっきりと理解しているハリルホジッチ氏は、いつも迷って意見がころころと変わるようなリーダーよりもついていきやすい指導者だった。

 一方で、パリ・サンジェルマン(PSG)やコートジボワール代表、ディナモ・ザグレブなどでは、チームやクラブ上層部との不和から解任されている。

 コートジボワール代表では就任後23試合無敗で、2010年の南アフリカワールドカップ予選を通過したにもかかわらず、アフリカ大陸選手権の準々決勝で格下と思しきアルジェリアに負けたことで、南ア大会4ヶ月前に首を切られるという屈辱を味わった。

 またPSG時代、就任初年度にリーグ準優勝、フランス杯優勝という好成績を収めながら翌シーズン半ばに解任されたことは、いまでもハリルホジッチ氏にとって相当コンプレックスになっていると、当時取材していたレキップ紙の記者は言っていた。

 PSGでは、自信に満ちたエリート軍団に、成績不振で自信を失っていたリールの選手たちと同じやり方で接したら猛反発をくらった。

 当時の選手に「ハリルホジッチ氏についてお話を伺いたい」と依頼したら、「他のことなら何でも話してあげるけど、”あの人”のことについてだけは話したくない」と名前を口にするのもはばかられる、といった反応をされたこともある。ハリルホジッチ氏の方も、冒頭のテレビ番組の中で、当時PSGを裏切る形でライバルのマルセイユに移籍した選手のことはいまだに許せない、と話していたから、両者の間の溝は相当深そうだ。

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