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ACLとCLの間にある格の違い。重要度&注目度は天と地の差、主要大会でも後れを取るアジアの実態

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

テレビ放送、金銭面でも明確な差

CLファイナル
昨年のCL決勝戦はイタリア国内だけでも視聴率58%を記録した【写真:Getty Images】

 この両大会の差を明確にしているものは決してそれだけではない。テレビ放送、いわゆる視聴環境や大会賞金にも圧倒的な違いが生まれている。

 CLの視聴者は世界で約1億人を超えているとも言われている。昨年の決勝カードであるレアル・マドリー対ユベントスの試合はイタリア国内だけでも視聴率が58%を記録するなど、その注目の高さは計り知れない。

 さらに日本ではグループステージから決勝戦まで主に「スカパー」などで視聴することが可能であり、ファイナルは地上波でも放送されるなど非常に注目度は高い。来季からは「DAZN」が同大会とヨーロッパリーグ(EL)の放映権を獲得しているため、より多くのサッカーファンが熱い戦いを観戦することができる。

 一方のACLは日本テレビが放映権を取得している。しかしその大半は「日テレジータス」や「日テレNEWS24」で行ってきており、準決勝については「BS日テレ」で放送している。昨季は浦和が決勝戦に残り大きな注目を集めたものの、地上波での放送は録画。生中継はBSとCSのいわゆる衛星放送のみとなっている。

「日テレジータス」はスポーツ専門チャンネルではあるものの、主に読売ジャイアンツの試合を中継するなど野球に重きを置いている。「日テレ NEWS24」はその名称の通り、主にニュースを放送しているチャンネルだ。

 つまり、ACLを放送するこの2つのチャンネルは決してサッカーファン向けのものではないということ。そのため、サッカーを観たいという人がほとんど契約することのないチャンネルでACLを放送しているということになる。

 ここからは両者の大会賞金を比較してみる。

 ACLオフィシャルによれば、パフォーマンスボーナスは勝利で5万ドル(約550万円)、引き分けで1万ドル(約110万円)である。参加賞はベスト16入りで8万ドル(約880万円)、ベスト8まで進めば12万ドル(約1320万円)、ベスト4入りで20万ドル(約2200万円)の賞金が渡される。そして準優勝を果たせば200万ドル(約2億2600万円)、優勝すれば400万ドル(約4億5000万円)が得られることになっている。

 ここでCLの大会賞金をみてみよう。

 CLではグループステージに参加、つまり本大会に出場するだけでなんと1200万ユーロ(約15億円)もの大金がクラブに入る。これはACL優勝賞金の倍以上の金額だ。さらに勝利ボーナスで150万ユーロ(約1億5000万円)、引き分けで50万ユーロ(約6500万円)という額である。

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