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かつては欧州制覇も・・・。ドイツの名門HSV、クラブ史上初の2部降格。懸命な追い上げも実らず

ハンブルガーSVがブンデスリーガ1部を17位で終え、2部への自動降格が決定した。チャンピオンズカップ制覇の経験を持ち、数々の名選手もプレーした古豪は、クラブ史上初めて1部の舞台から降りることになった。過去にも苦境に立たされたことはあったが、今季は奇跡を起こすことができなかった。(文・青木務)

text by 青木務 photo by Getty Images

欧州制覇も経験した古豪

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ハンブルガーSVの2部降格が決まった【写真:Getty Images】

 ほとんどの子どもが大好きと言うであろう、ハンバーグ。日本でも様々なレストランチェーンで提供され、家庭の味としても名高い人気料理だが、その起源はドイツ・ハンブルクにあるとされる。

 そんなハンバーグ発祥の地をホームとし、1887年に創設されたハンブルガーSVが2部降格の憂き目にあった。

 1963年に全国リーグとしてスタートしたブンデスリーガにおいて、初年度から名を連ねたクラブで一度も2部に降格したことがないのはハンブルガーSVだけだった。

 彼らは1975/76シーズンにDFBポカールを制覇すると、78/79シーズンにはリーグ初優勝も果たした。ここからしばらく黄金期が続き、83/84シーズンまでにリーグ制覇が2度、その他の年も2位でフィニッシュするなど、強さを示している。

 また、ヨーロッパでも存在感を発揮。82/83シーズンはUEFAチャンピオンズカップ(現UEFAチャンピオンズリーグ)で頂点に立ち、リーグとの2冠を達成した。

 そして、数々の名選手がこのプレーしている。

 クラブのレジェンドとなっているウーヴェ・ゼーラーは、1953年のトップチームデビュー以降、ハンブルガーSVでプレーし続け、ドイツ年間最優秀選手賞を3度受賞した。西ドイツ代表としても活躍し、国際Aマッチ72試合43得点という記録を残した。

 さらに、現在は“鬼軍曹”として知られるフェリックス・マガト氏や元イングランド代表FWケビン・キーガン氏、キャリア晩年のフランツ・ベッケンバウアー氏も在籍していた。

 そして、日本人にとっても馴染みのあるクラブだ。

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