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コロンビアの王、ハメス。 挫折と復活を経て慢心なし。”裸の王様”が真の玉座へ【W杯 日本を襲う猛獣たち】

1か月後に迫ったロシアワールドカップ。日本はグループHでコロンビア、セネガル、ポーランドの3か国と激突する。本大会へ向け改めて確認しておきたいのは対戦国の要注意人物達だ。フットボールチャンネルでは日本と対戦する3か国の“猛獣”たちを紹介していきたい。今回はコロンビアのエース、ハメス・ロドリゲスを取り上げる。(取材・文:本田千尋【ドイツ】)

シリーズ:W杯 日本を襲う猛獣たち text by 本田千尋 photo by Getty Images

現地紙も評価するドイツでの活躍

ハメス・ロドリゲス
コロンビアのエース、ハメス・ロドリゲス【写真:Getty Images】

 王の座へ、再びー。

「キング・ハメス!」

 2月4日付の『ビルト』電子版は、コロンビア代表MFを讃えた。

「ハメスがバイエルンを王者のようにした!」

 2月3日行われたブンデスリーガ第21節。バイエルン・ミュンヘンは1.FSVマインツを圧倒した。33分、CKからのクリアボールを、フランク・リベリーが右足ダイレクト。豪快に突き刺して先制する。一瞬、立ち尽くすマインツの守備陣。

 すると44分、またもスーパーゴールが地方都市の小クラブを襲う。止めを刺したのは、ハメス・ロドリゲス。コランタン・トリッソの左サイドからのクロスを、ファーで胸トラップ。ふわりと浮いたボールを、悠々と左足ダイレクトでゴールに叩き込んだ。

 前半だけで2点のリードを奪ったバイエルンは、ロベルト・レバンドフスキこそ63分から投入したが、ロッベン、キミッヒはベンチに置いたまま試合を終えた。主力を休ませてなお完勝できる王者の貫禄。マインツ戦でその王の余裕をチームにもたらした選手こそ、圧巻のボレーを見せつけたハメスだったのだ。

『ビルト』電子版は、賛辞を贈ると、次のように記した。

「ユップ・ハインケス監督(72)の下でコロンビア人は花開いている」

 ジネディーヌ・ジダン監督の下でポジションを確保できなかったハメスは、昨夏、レアル・マドリーからバイエルンに2年間のレンタル移籍で加入した。かつてロス・ブランコスで共闘したカルロ・アンチェロッティ前監督の願いだった。

 しかし、新天地に呼んでくれた恩師の下でハメスが輝きを取り戻すには、十分な時間がなかった。太ももの負傷で出遅れると、ようやく9月9日の第3節ホッフェンハイム戦で新天地デビュー。第5節シャルケ戦では90分間フル出場し、1G1Aの結果を残して3-0の完勝に貢献。

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