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日本代表 6年前

06年独大会。史上最強ジーコジャパンも…チーム作り失敗で惨敗。最悪の締めは検証丸投げ【日本代表W杯の記憶】

シリーズ:日本代表W杯の記憶 text by 元川悦子 photo by Getty Images

準備不足が露呈。チームのバラバラ感も否めず

ジーコジャパン
ジーコジャパンのバラバラ感は否めなかった【写真:Getty Images】

 レギュラー組とサブ組を明確に分けるのがジーコのやり方だったから、控えに回った側は「もう自分は出番がない」と諦めに近い心境に達し、練習でも意欲が前面に押し出さなりがちだった。

 本番前ラストの親善試合だったマルタ戦(デュッセルドルフ)はサブメンバー中心に挑み、玉田圭司(名古屋)の先制点を守り切って勝ったが、内容は今一つで停滞感が色濃く見て取れた。

 悪いことに、6月に入ってから現地の気温が日に日に上昇。オーストラリア戦当日は気温30度をゆうに超え、ピッチ上の体感気温は40度近くに達した。ここまでの暑さを想定したトレーニングなど、ジーコジャパンは一切やっていなかったから、肝心な初戦で足が止まってしまった。

 ベンチから試合を見ていた加地も「日本は後半から運動量がガクッと落ち、そのタイミングでオーストラリアはケイヒルやケネディ、アロイージといった切り札を次々と投入してきた。

「オーストラリアが高さのあるFWを入れてくるのは分かっていた」と宮本も話したが、それを想定した対策を徹底していなかったのも事実。ラスト6分間に3失点を食らったのも、こうした準備不足が原因だった。

 1-3の逆転負けで選手が激しいショックを受けるのはよく理解できるところだが、試合後のミックスゾーンの雰囲気は最悪だった。途中出場しながらリードを守れなかった小野が凄まじい形相でメディアの前を通り過ぎたと思いきや、柳沢、高原、中田、中澤佑二(横浜FM)といった主力が次々と無言で素通りしていく。

 責任感の強い川口能活(相模原)や宮本、先制点を奪った中村は説明責任を果たしたが、どこまでもバラバラ感は否めなかった。

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