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Jリーグ 6年前

イニエスタは道に迷わないドライバー? 頭にある地図、バルサとJの違いも苦にしない【西部の目】

Jリーグ史上最高レベルの外国人選手が日本にやって来る。アンドレス・イニエスタは今なお世界屈指の名手だが、そんな彼がワールドカップ後にヴィッセル神戸の一員となる。名門バルセロナから日本へ。ピッチ上で見える景色が異なる中、イニエスタはJリーグに適応できるだろうか。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Editorial Staff

依然として世界トップクラス

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イニエスタは依然として世界トップレベルの選手【写真:編集部】

 Jリーグが開幕した1993年には外国のビッグネームが数多くプレーしていた。横浜マリノスにやって来たラモン・ディアスは初年度の得点王になっている。

「テーピングもしないで練習を始めたのは驚いた」

 当時の関係者はあまりにも無防備なディアスの態度に驚いたが、プレーは本物だった。ジェフユナイテッド市原(当時)にはピエール・リトバルスキ、名古屋グランパスエイト(当時)にはガリー・リネカー、鹿島アントラーズはジーコがいた。ただ、全員がディアスのように活躍したわけではなく、彼らのほとんどが第一線を退いた後に日本へ来ていたので、ヨーロッパからは「年金リーグ」と揶揄されていた。

 アンドレス・イニエスタも第一線を退いて日本へ来る。といっても、バルセロナを退団したばかりで、スペイン代表としてロシアワールドカップにも出場する。ピークは過ぎているが、依然として世界トップレベルの選手としてJリーグに参戦することになる。

 体も大きくないし足も速くない。それでもイニエスタが世界中から尊敬され、例外的な名手とされているのはなぜなのか。

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