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優勝候補フランスのラストピース。大怪我からの返り咲き、破格のSBバンジャマン・メンディ【西部の目/ロシアW杯】

 自国開催だった1998年大会以来となるワールドカップ制覇を目指すフランス代表。グループリーグを首位で突破したものの、抜群の強さを誇示したわけではない。しかし、チームの前進を加速させる、ある選手がコンディションを上げている。破格の能力を持つバンジャマン・メンディは、レ・ブルーにとって最後のワンピースだ。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

前進のキープレーヤー

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バンジャマン・メンディ【写真:Getty Images】

 2017年夏にASモナコからマンチェスター・シティに移籍、5200万ポンドというDFとしては破格の移籍金で話題になった。しかし9月23日に右ヒザを痛め、ほぼシーズンを棒に振っている。2018年4月22日に手術を経てようやく復帰し、フランス代表のワールドカップメンバーにも招集された。

 グループリーグ最後節のデンマーク戦、ディディエ・デシャン監督はバンジャマン・メンディを先発させる。それまでの2試合で左SBを務めたリュカ・エルナンデスは無難なプレーぶりだったが、メンディがベストな状態なら彼がアルゼンチン戦では先発するだろう。メンディはレ・ブルーの最後のワンピースであり、チームを前進させるためのキープレーヤーだ。

 デンマーク戦では高精度のクロスボールを連発していた。最大の長所であるスピードがどの程度回復しているかはわからないが、メンディがいるといないとではチームのパフォーマンスが大きく変わる。左サイドを組んだトマ・ルマルとのコンビネーションも良く、ルマルの起用もありそうだ。ちなみに右SBにもジブリル・シディベが起用され、デンマーク戦ではメンディ、ルマル、シディベ、キリアン・ムバッペのASモナコ出身者が顔を揃えていた。

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