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“自分のスタイル”を多様化。ペリシッチの武器。ギグスに似るスラローム系のドリブラー【西部の目/ロシアW杯】

 ロシアワールドカップ準々決勝、クロアチアは開催国ロシアと激突する。今大会のクロアチアは、1998年の3位を超える結果を目指している。その中で長身のドリブラー、イバン・ペリシッチに注目したい。左右どちらでもプレー可能なスタイルは、チームの戦いに多様性をもたらし、大きな存在感を放っている。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

長身のドリブラー

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イバン・ペリシッチはライアン・ギグスと少し似ている【写真:Getty Images】

 186cmとかなりの長身だが、あまり大きな選手というイメージがないのはドリブラーだからだろう。左右どちらのサイドでもプレーし、利き足がどちらなのかもよくわからない。ユース時代は元クロアチア代表のアリョーシャ・アサノビッチの後継者と言われていたらしいので左利きなのだろう。ただ、プレーメーカーだったアサノビッチとはスタイルは違う。イバン・ペリシッチはウイングであり、ワイドアタッカーだ。

 スピードはある。ただ、無茶苦茶に速いわけではない。コースどりが上手くて、抜き切らなくても結局は質の高いクロスボールを送る。縦に真っ直ぐ行くだけでなく、少し外へ持ち出してDFとの間合いを空け、その差でブロックされる寸前にボールを通してしまう。リーチの長さがモノを言っているのかもしれない。国は違うが、ウェールズのライアン・ギグスと少し似ているスラローム系のドリブラーだ。

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