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Jリーグ 6年前

3試合で11失点…マリノス守備崩壊の理由。「自分たちのサッカー」は見直すべき?

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「自分たちのサッカー」はできていても…

 広島戦では、特にセットプレーの守備の脆さを突かれた。PKを与えた仲川輝人のハンドもショートコーナーの流れから生まれ、そのコーナーキックを与えたのも直前のコーナーキックの守備で後手を踏み決定機を作られた。後半開始直後のパトリックのゴールもコーナーキックから生まれ、終盤の4点目もコーナーキックのこぼれ球を拾われたところから崩された。

 飯倉は「失点がセットプレーだったり、ペナルティエリア付近でのファウルからだったり、コーナーキックだったり。パトリックのようなFWや、いいキッカーがいるチームに対しては致命的になるから、そういうところはすごくイージーで、ちゃんと集中してやるということ。端的だけど、それが今はできていない」と語る。今のマリノスには何か重要なものが欠けている。

 喜田拓也も「現に得点は毎試合取れていますし、そこへの手応えが結果につながらないというところに、絶対何かしらの原因はある。そこで今『これを直せば』というのは本当に簡単だし、それが明確にわかっていれば、この結果になってはいない」と同調する。では、どこに問題があるのだろうか。

 今季のマリノスの試合を「勝利」と「敗北」に分けて分析すると、興味深い傾向が見えてきた。負けた試合の後に指揮官や選手たちはよく「自分たちのサッカーはできていたのに…」と話しているが、まさにそこに落とし穴がある。

 ポステコグルー体制になってからリーグ戦で勝利したのは、浦和レッズ戦、清水エスパルス戦、鹿島アントラーズ戦、V・ファーレン長崎戦、ベガルタ仙台戦の5試合。一方、敗れたのは柏レイソル戦、サガン鳥栖戦、サンフレッチェ広島戦、ヴィッセル神戸戦、北海道コンサドーレ札幌戦、ジュビロ磐田戦、FC東京戦。広島には2度敗れており、全部合わせて8敗、さらに柏戦以外は負けても1ゴール以上奪っている。

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