今後イニエスタの得点は増えるか
イニエスタは得点への意欲を見せた【写真：Getty Images】
イニエスタのゴールには、的確な判断の下でプレーを遂行した仲間たちの存在も欠かせない。
中盤左サイドでパスを受けたイニエスタは、中に運びながら藤田直之に預ける。藤田に寄って行ったためリターンをもらうかに思われたが、神戸のアンカーは自分で左サイドに展開。このプレーのおかげでイニエスタは、パスを受け直すよりも早く前に走り出すことができた。
最終ラインからのビルドアップも安定してきている。この日、神戸も磐田も中盤にアンカーを置く布陣でスタート。ボールの流れを止められないサックスブルーを尻目に、ホームチームは相手の間へ積極的にパスを通していく。ポドルスキのサイドチェンジも冴え、相手に的を絞らせない。
「イニエスタだけじゃなく、他の選手にも（間にパスを）入れようという意識があった」
こう話したのは今夏磐田に加入した大久保嘉人。得点シーン以外にも、そしてイニエスタが絡まない場面でも、相手のギャップを巧みに突くプレーが見られた。試合を重ねるごとに、神戸はチームとしてのクオリティを上げている。そして背番号8は、仲間を成長させるだけでなく自身のパフォーマンスにも貪欲だ。
「これからはゲームの組み立てだけではなくて、ゴールにおいてもチームを手伝えればなと思っています」
世界最高のMFは自らネットを揺らすことへの意欲を口にした。イニエスタは常に最良のプレーを見せる。得点できる、というシチュエーションになれば今後も確実に決めてくるだろう。
（取材・文：青木務）
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