日本代表強化に拭えない疑問。一貫性なき年代ごとの戦術。U21が成長遂げた今こそ方向性の一致を

2018年09月03日(Mon)12時10分配信

text by 元川悦子 photo Getty Images
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戦術、フォーメーションの一致は不可欠

 ただ、U-19世代が加わった時に同じことがしっかりできるかどうかはまだ分からない。今回は自国開催の五輪だから、これまでの五輪代表よりも強化時間が多く与えられるだろうが、可能であれば、五輪代表につながる影山監督以下の年代別代表も森保監督の求めるスタイルに合わせて行った方がいい。

 それぞれのチーム事情や選手の特徴もあるだろうが、世界の強豪国はA代表から年代別代表まで同じフォーメーションで戦うのが常。そこを再整備することが、森保体制成功の1つのポイントではないだろうか。

 3日から始まるA代表の方も3-4-2-1システムをベースにしていくと見られるが、長く4バックをベースにしてきたFC東京の室屋成、鹿島アントラーズ出身の植田直通らは戸惑うこともあるかもしれない。

 森保監督は国内組と海外組の若手で構成したベースで来年1月のアジアカップまで行くことを考えていると言われるが、その場合、後から合流するロシアワールドカップ主力組が森保監督の戦術に適応できるかどうかという新たな問題も浮上する。

 新キャプテン候補の吉田麻也や長友佑都らはクラブでも3バックを経験しているからまだいいが、ドイツやスペインのクラブは4バックが中心。「同じ3バックでも代表のやり方とクラブのやり方は違う」と吉田もロシア大会前に話していたほど、戦術のすり合わせというのは難易度が高い。それを国際Aマッチデーしかやれないのは、これまで代表で4バックに慣れている海外組の年長者にとってややハードルが高そうだ。

 確かに世代交代は日本サッカー界の急務ではあるものの、ロシアの大舞台で修羅場をくぐった人間たちの力はまだまだ必要だ。彼らをうまく融合させていかなければ、ベスト8の壁を破れるような強い日本代表は作れない。そのあたりを森保監督は果たしてどうマネージメントしていくのかが非常に興味深いところだ。

 いずれにしても、新指揮官にはまず当面の日本代表強化ビジョンを明確に示してもらうことを強く求めたい。それを基に、日本サッカー界として戦術やフォーメーションを含めた方向性を一致させていくことが必要になる。

 アジア大会準優勝という一定の成果を収めた今だからこそ、森保監督が陣頭指揮を執ってこうしたアプローチを急ピッチで進めるべき。日本人監督が率いているメリットを最大限生かして「ジャパンズ・ウェイ」を突き詰めていかなければならない。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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