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日本代表 6年前

堂安律と伊藤達哉、日本代表に新世代の台頭。欧州で揉まれた若武者たちの試行錯誤

text by 元川悦子 photo by Getty Images

読めない先発メンバー、大抜てきの可能性は?

 GK東口順昭(G大阪)、DF槙野智章、ボランチの青山敏弘、FWの小林悠といった軸はある程度予想できるものの、それ以外のポジションはかなり流動的。ただ、森保監督としてもなかなか生で見られるチャンスの少ない欧州組を優先的にトライしたいという思いはあるはず。テクニックの高い選手がひしめく2列目は南野拓実や中島翔哉、堂安らがスタメンに抜てきされる公算が大きいだろう。

 中学時代から足掛け8年間を過ごしたガンバ大阪の本拠地・パナソニックスタジアム吹田で国際Aマッチデビューを飾る見通しの堂安は「運命と言っていいのか分からないですけど、ここのスタジアムで多く試合をやらせてもらって、多く思い出が残っているんで、次は自分が来てくれるサポーターの人に(思い出を)残せるようなプレーができたらいい」と目を輝かせた。

 7日の紅白戦では、1本目が右サイド、2本目がセカンドトップ(中央)の位置に入ったものの、得点を奪うことはできなかった。そればかりでなく、彼ららしい創造性のある崩しやゴールへの推進力が見られず、消化不良感が色濃く残った。「(良さを)出し切れない自分がいた」と本人も急造チームである代表で持てる力の全てを出し切る難しさを痛感したようだ。

 そこから2日間練習を重ね、「自分から周りに合わせるんじゃなくて、自分から動き出して『こうだよ』っていうのを見せて、合わせてもらうような形にしようと思った」と主体的にアクションを起こす方向に改めた。

 その結果、9日の実戦形式の練習ではいいフィーリングを得られたという。その感覚を研ぎ澄ませていくことが、堂安の本領発揮につながる。幸いにして、試合会場は勝手知ったる場所。ゴールを奪った経験も少なからずある。大胆な姿勢で挑めるだろう。「ポスト・本田圭佑」との呼び声が高い彼はどんな時も強気の姿勢で戦えることが最大の強み。その武器を忘れず、オスカル・ドゥアルテらロシアワールドカップメンバーがズラリと並ぶコスタリカ守備陣を切り裂くこと。そしてゴールという明確な結果を残したい。

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