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日本代表 6年前

森保Jに不可欠なリオ五輪世代の台頭。ロシアW杯での挫折、落選、高い壁を乗り越えて

text by 元川悦子 photo by Getty Images

リオ五輪代表での財産も生かして

リオ五輪世代
リオ五輪世代の植田(左)、遠藤(中央)、浅野(右)。この3人はロシアW杯での悔しさを晴らしてもらいたい【写真:Getty Images】

 3年前の代表招集時に先輩たちのハードルの高さを痛感している南野は「過去のことはあんまり気にしていない。新しい監督で、新しいチームですし、新しいスタートという気持ちが強い」と自分の良さを発揮することだけに集中していくつもりだ。

 それは中島にしても同じ。ハリルホジッチ体制ラストとなった今年3月のマリ戦とウクライナ戦で初招集された時とは状況も違うだけに「本当に自然に楽しくプレーしていきたい」と語り、伸び伸びとドリブルやシュートという武器を押し出そうとしている。ロシアワールドカップの最終メンバー落選という現実も「悔しさ? そこまでは…。その時は家族とたくさん過ごせたんで、本当に幸せでした」と実にアッケらかんとしたもの。

 そういうメンタリティがむしろ代表定着にプラスに働くのかもしれない。仮に南野と中島、そして浅野が同時にピッチに立つ時間帯があれば、リオ五輪代表で築き上げた連係やハーモニーも生かせる。短期間での活動となる代表チームでは世代別代表での財産を生かすことも重要なポイント。そういう意味でも彼らの共存は楽しみだ。

 リオ五輪世代は、まだ先を目指そうとしている年長者たちと、堂安律ら東京五輪世代に挟まれる厳しい立場にいる。森保監督が東京五輪代表監督を兼務している分、より下からの引き上げが加速されるだろう。そういう流れに飲み込まれてしまうことだけは許されない。リオ五輪世代の台頭が森保ジャパンの成長にとって不可欠な要素なのは間違いないだけに、まずは初陣のコスタリカ戦でそれだけのポテンシャルを全員が示すべきだ。

 この中で誰が生き残り、誰が新生サムライブルーのキープレーヤーへと飛躍を遂げていくのか。ロシアワールドカップまでは大人しい印象の強かったリオ五輪世代が覚醒するのは今しかない。「もはや若手ではない」という自覚を持って、逆襲の狼煙を上げるべく、パナソニックスタジアム吹田のピッチに立ってほしい。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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