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セリエA 6年前

「いつものC・ロナウド」がナポリを凌駕する。ユーベが手にした大黒柱、見せつけた力の差

現地時間29日にセリエA第7節が行われ、ユベントスがナポリに3-1で勝利を収めた。近年熾烈な優勝争いを繰り広げる両者の対戦で、チーム力の差となったのは「クリスティアーノ・ロナウド」という1人の男だった。王者ユベントスのけん引役となった恐るべきタレントは、地味な仕事も厭わず、身を粉にしてチームの勝利のために邁進する。(取材・文:神尾光臣【トリノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

C・ロナウドの存在がチーム力の差に

クリスティアーノ・ロナウド
クリスティアーノ・ロナウドはユベントスの全得点に絡む活躍でナポリ戦勝利に大きく貢献【写真:Getty Images】

 当然の話だが、ユベントスにとってナポリ戦は決して簡単な試合ではなかった。

 最終ラインを高く上げたハイプレスで、パスコースを分断される。カルロ・アンチェロッティ監督のもとで4-4-2システムに修正されたナポリの守備組織に、サイドも中央のスペースも埋められる。深い位置からパスを繋げようとしても中盤で奪われ、すぐさま速攻を食らう。6分にはピオトル・ジエリンスキにゴールポスト直撃のミドルシュートを打たれると、10分にはレオナルド・ボヌッチの無理矢理なパスをカットされた挙句、カウンターで先制点を奪われた。

 ボールは奪えず、パスは回される。アリアンツ・スタジアムのスタンドには微妙な沈黙が立ち込めていた。昨季、ナポリにホームで0-1と破れた時、ユベンティーノの間からは「結果以上にオレたちのチームが支配されたことがショックだった」という声もあった。その時のイメージが頭をよぎった者も少なからずいたことだろう。

 だが、終わってみれば3-1。そしてユーベの全得点には、昨季にはいなかったクリスティアーノ・ロナウドが関与していた。技術とフィジカルを利し、勝負どころを見極めてチャンスを創出する彼の決断力が、そのままナポリに対する差となった。

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