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日本代表 6年前

“ラストサムライ”川又堅碁、思い出の地・新潟に見参。追加招集組が森保Jにもたらす熾烈な競争

text by 舩木渉 photo by Getty Images

指揮官が求めるのは強みを発揮すること

 今季J1で9得点を挙げている川又だが、実は昨季のJ1で「被ファウル数」が全選手中2番目の多さだった。当時ヴァンフォーレ甲府に在籍していたブラジル人FWドゥドゥ(現アビスパ福岡)の85回が最多で、川又は全34試合に出場して77回のファウルを受けた。

 前線で体を張って味方の力を生かす起点になりながら、泥臭くゴールに迫っていくプレーは十八番だ。その点は、アルビレックス新潟時代にコーチとして川又を指導した森保一監督もよく理解しているところで、全体練習後には2人で長く話し込む姿も見られた。

 森保監督は日頃から「全ての選手に自分の持っているものを思い切り出してほしい。個が持っているスペシャルなものに自信を持ってもらえるように」と繰り返しているが、川又にも同様に自らの武器をピッチ上で最大限に発揮することを求めている。そして教え子もその要求に応えようとしている。

 コスタリカ戦での森保ジャパンの印象と、指揮官との会話を踏まえて「自分が起点になるんだったら、ファーストアクションというかね、2列目の選手がすごくドリブルに長けていたり、前に推進力のある選手が多いから、そういう選手をうまく使えるための起点とかいろいろ考えて」と川又は“潰れ役”も厭わない覚悟だ。

 追加招集の選手でも必死にアピールして、日本代表の競争に加わってくることには今後に向けて大きな意味がある。9月のコスタリカ戦では、ともに追加招集だった天野純と守田英正が森保監督の信頼を掴み取って途中出場を果たした。

 守田はその試合で左太ももを痛めた影響で本調子まで戻りきらなかったが、天野は今回の代表活動に向けた招集メンバーに入る可能性も常にありながら、この1ヶ月を過ごしてきた。

 残念ながらメンバー入りは逃したものの、代表合宿直前に森保監督が視察に訪れた試合で天野は「森保監督が来ていると知っていたので、俺を選ばなかったことを後悔させてやろうというくらいの意気込みでプレーしていた」と語り、「その気持ちを持ち始めたのは自分の中で成長ですし、4年後に(日本代表に)入っていればいいので、これからどんどんJリーグで活躍して代表入りを目指したい」とモチベーションに大きな変化が見られるようになった。

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