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日本代表 6年前

“ラストサムライ”川又堅碁、思い出の地・新潟に見参。追加招集組が森保Jにもたらす熾烈な競争

text by 舩木渉 photo by Getty Images

思い出の地・新潟で爆発なるか

川又堅碁
新潟は川又堅碁にとって思い出の地。パナマ戦で出番はあるだろうか【写真:Getty Images】

 仮に追加招集でも、パフォーマンスしだいでその後の立場は大きく変わる。森保ジャパンはチーム作りを始めたばかりで、多くの選手にチャンスがある今はチーム全体の競争力を高めて全体の底上げを図るべき時だ。9日の練習では川又より一足先に追加招集された北川がキレのある動きで強烈なシュートを何本も放ち、指揮官にアピールしていた。

 ロシアワールドカップに出場したのか、いないのか。海外組なのか、国内組なのか。ベテランなのか、若手なのか。そういった条件は関係なしに、森保監督が目指すサッカーに必要な人材であると証明することこそが重要になる。

 川又に求められている泥臭いプレーでのチームへの貢献は、まさに彼の得意とするところで、チャンスさえ与えられれば短い時間でも爪痕を残すべく、「パーフェクトにできたら、面白い」と監督に求められているアグレッシブな守備や攻撃の起点作りでアピールに燃えている。

 そしてもう1つ、川又にとって今回の日本代表が特別なものになる理由がある。12日のパナマ戦が行われるデンカビッグスワンスタジアムを本拠地にしているアルビレックス新潟は、川又が今日に繋がる飛躍のきっかけをつかんだクラブでもある。

「新潟でやれる、しかもこのタイミングで追加招集というのはすごく縁を感じるし、たくさんの新潟のサポーターも来てくれると思うんで、チームとしていい結果を出しつつ、自分も何かしらの結果を残したい」

 9日の練習にも新潟サポーターが数多く詰めかけ、川又のメディア対応が終わるまで一挙手一投足を見届けて声援を送っていた。2013年に新潟で23得点を挙げてJ1のベストイレブンにも選ばれた武闘派ストライカーは、森保ジャパンにさらなる競争をもたらすことができるか。追加招集で最後の枠に滑り込み、千載一遇のチャンスを手にした“ラストサムライ”は思い出の地で胸に秘めてきた炎を解き放つ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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