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ネイマールがとった”信じられない行動”。背景にある変化の芽生え、スーパースターが真のリーダーへ

ネイマールが好調を維持している。リーグ戦9試合を終え8得点4アシストと、申し分ない活躍だ。鳴り物入りで入団したスーパースターは今、パリ・サンジェルマンをけん引するリーダー的存在へと変化を果たしている。その理由はどこにあるのだろうか。(取材・文:小川由紀子【フランス】)

text by 小川由紀子 photo by Getty Images,Yukiko Ogawa

絶好調のネイマール。その影響で信じられない光景も…

ネイマール
絶好調を維持しているパリ・サンジェルマンのネイマール【写真:Getty Images】

 リーグ・アン9節を終えて8得点4アシスト、チャンピオンズリーグ(CL)・グループリーグ第2節のレッドスター戦ではハットトリックと、今季のネイマールの勢いは爆発的だ。

 夏のワールドカップ(W杯)で、ブラジル代表は準々決勝でベルギーに屈して敗退。個人的にも、ファウルで倒されたあとのリアクションが大げさすぎると世界中で叩かれるなどネガティブな体験が続いた。

 しかし新シーズンが始まってからのネイマールは、所属するパリ・サンジェルマンで、生まれ変わったかのような別人級の顔を見せている。

 パリ・サンジェルマン(PSG)が6-1で大勝した10月3日のCL、対レッドスター戦では、20分にFKから直接ゴールを決めてスコアを開くと、2分後にはキリアン・エムバペとのワンツーから鋭い一撃、そして82分にはまたしてもFKからダメ押し弾を突き刺してハットトリックを達成した。

 そしてこの試合の後、信じられないことが起きた。ネイマールがパルク・デ・プランスの取材エリアに姿を現したのだ。

 昨シーズン、ネイマールはおよそ300億円という巨額の移籍金でパリに到来。当然ながら注目の的だったが、9月半ばのリヨン戦でエディンソン・カバーニとPKをどちらが蹴るかで揉めた一件後は、批判的な話題ばかりで加熱する報道に辟易してメディア対応を避けていた。ブラジルのテレビ局のカメラにひと言、ふた言話すことはあっても、待ち受ける報道陣の前を通り過ぎようとはしなかった。

 ところがレッドスター戦の後、「ハットトリックを決めてご機嫌だろうから登場したりして?」とほぼ冗談、ちょっぴりの期待で待ち受けていた記者たちの前に、ネイマールは神々しく現れた。まだポルトガル語でしか対応しないネイマールだが、その言語を解さない記者たちも、この機会を逃さんとばかりにマイクを彼の前に突っ込んだ。

【次ページ】リヨン戦では大苦戦

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