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ネイマールがとった”信じられない行動”。背景にある変化の芽生え、スーパースターが真のリーダーへ

text by 小川由紀子 photo by Getty Images,Yukiko Ogawa

リヨン戦では大苦戦

ネイマール
取材エリアに現れたネイマール。集まった記者たちは一斉にマイクを向ける【写真:小川由紀子】

「去年は大事な時期(2月)に怪我をしてしまって、その後は正直、意識はW杯に向いていた。でもW杯も終わって、僕はいま、完全にPSGに集中している」

 体調は万全で、テクニック面でも手応えを感じていると話したネイマールはこう付け加えた。

「でもまだこれがMAXじゃない。大事なのは年明けの2月3月頃から。CLは決勝トーナメントが始まり、他のコンペティションも決勝に向かって佳境を迎える頃だ。肝心なのは自分のコンディションをそのときにピークに持っていくことだと考えている」。

 その4日後、同じく本拠地パルク・デ・プランスで行われたリーグ・アン9節のリヨン戦は、PSGにとって今季最初の正念場とも言える一戦だった。そこまでリーグ戦では全戦全勝としていたが、上位陣との対戦はなく、このリヨン戦でどう戦うかでPSGの真価が測られる、そんな重要性を孕んでいたからだ。

 試合は、開始7分にリヨンのエース、フランス代表でW杯でも活躍したMFナビル・フェキルが負傷してピッチを去るアクシデント。直後の9分にネイマールが、エムバペがゲットしたPKを決めてPSGが早々にリードを奪ったが、その後はリヨンに主導権を握られる。さらに35分、センターバックのプレスニル・キンペンベがタックルでVAR判定の末に一発退場となると、ホームチームは苦戦した。スコアこそ1-0をキープしたものの、前半終了時のスタッツは、PSGのボールポゼッションはわずか37%、シュート数はリヨンの9に対し2、パス成功率でも78% とリヨンの87% に大きく劣り、パス数に関してはリヨンの243に対し146と、ここ数年で最低レベルの数字を記録した。

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