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なでしこ10番、女子サッカー界に一石を投じるアクション。ベレーザ・籾木結花インタビュー【前編】

text by 青木務 photo by ⒸTOKYO VERDY , Tsutomu Aoki

様々な反響に触れて

――『選手が集客プロデューサー』ということ自体が、興味を惹きつける要素になると思います。

「本当に色々な層をターゲットにしたいなと考えていて。まず一つ、グッズ企画を通して呼びたいのは、クラブやチームのサポーターというよりも選手個人を応援している人。なでしこジャパンの試合を観たり、テレビ出演で選手個々の存在は知っているけど、試合を観に来たことはないという層をグッズ企画で呼び込みたいなと思っています。『自分たちでやっているんだよ』というのを、選手自身がSNSなどでどんどん発信していくことで、彼女たちのフォロワーに届くのではないかなと考えています。

 もともと応援してくれている人たちには、チケット企画を通してより深くこのチームに関わってもらいたいという思いがあります。もう一つのターゲットとしては全く試合を観に来たことがない、女子サッカーもあまり知らない人たち。この層には自分が発信することで、例えばビジネスパーソンなどの共感を得られればなと。それがどんどん拡散されていくことで、女子サッカーにもこういう選手がいるんだというのを知ってもらいたいです」

――反響もあったと思いますが、その辺りはいかがですか?

「なでしこリーグの中で選手がこういったアクションを起こすというのは、今まであまりなかったので、内容はどうであれ“やったもん勝ち”だなと。とにかくやることが大事、という風に感じています。

 様々な反響があるだろうなとは思っていたんですけど、他のチームのサポーターの方とかも全く批判的じゃなくて、『ベレーザが本気出してきたぞ』とか『自分たちのチームもこういうことをやらなきゃな』という感じで。自分の行動が周りの意識を変えていくような反応を得られたのは、すごく良かったかなと思います」

☆インタビュー後編はこちら☆

▽籾木結花(もみき・ゆうか)
1996年4月9日、アメリカ出身。2011年、中学3年でなでしこリーグデビューを果たすと、その試合で初ゴールを記録。16年から背番号が『10』に変更。現在、2季連続でリーグベストイレブンに選出されている。日本代表としてはU-17(リトルなでしこ)、U-20(ヤングなでしこ)を経て、17年になでしこジャパンデビュー。今年8月のアジア大会では10番を背負い、優勝に貢献した。国際Aマッチ20試合出場5得点。

【了】

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