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もはや敵はいないのか? ユベントスがみせた圧倒ぶり、強さの秘訣に“名脇役”の存在あり

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

攻守両面で赤い悪魔を圧倒

 これではマンチェスター・Uが攻めに転じられないのは当たり前である。引いて守ってカウンターという形を狙いに行っていた同チームだが、パスの精度がなかなか上がらず、中盤の位置でカットされてしまう。前半はほとんどシュートを放つ場面がなかった。

 一方のユベントスは、前線の選手が激しくポジションを入れ替えながら、スムーズなパスワークで相手守備陣を崩しにかかった。C・ロナウドに自由が与えられているのは承知の上で、ディバラやクアドラードも背番号7をサポートしようと果敢に動き回る。中盤の底でロドリゴ・ベンタンクールやレオナルド・ボヌッチがボールを持つと、前線の選手は一気にギアを上げ、相手DFの背後を狙った。この2選手はロングフィードの正確さに定評があるため、それを信じての動き出しだったはずだ。実際、そういった形から何度かチャンスは作っていた。

 また、ジョルジョ・キエッリーニとボヌッチのCBコンビは強烈なインパクトを残した。身長190cm、体重93kgを誇るルカクに対しても引けを取らず、同選手を完全に無力化し、クロスボールへの対応も満点の出来。CL3試合で無失点の守備を形成するイタリア代表CBコンビを崩すのに、マンチェスター・Uの攻撃陣では物足りなかった。

 このように、攻守両面で赤い悪魔を圧倒したユベントス。試合後のデータを見ても、シュート数6:14、支配率40%:60%、パス成功率:81%:89%、空中戦勝利数:10:12などあらゆる面でホームチームを上回った。

 もはやユベントスに敵はいないのか。そう思わされるような試合内容と圧倒ぶり。セリエA、コッパ・イタリア、CLの3冠達成も現実味を帯びてきたのではないだろうか。

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