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日本代表 5年前

久保建英&斉藤光毅、最年少コンビが開くU-20W杯への扉。強心臓はキング・カズ譲り?

text by 元川悦子 photo by Getty Images

キング・カズやシャビの影響?

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三浦知良【写真:Getty Images】

「一番年下というのは自分の中では関係ないと思っているので、もっと貪欲にやっていきたい」と斉藤光毅は堂々と言い切った。こうしたメンタリティになるのも、横浜FCで君臨するキング・カズ(三浦知良)の影響かもしれない。51歳でも現役を続ける偉大な点取り屋を間近で見れば、「年齢はどうでもいい」という考え方に自然となるはず。それはバルセロナで幼少期を過ごし、30代になったシャビ(アルサッド)らを近くで見ていた久保も同様だろう。

 彼らフレッシュでイキのいい2人に託されるものは少なくない。さしあたって、来年のU-20ワールドカップ(ポーランド)出場権のかかる28日の準々決勝・インドネシア戦の結果だ。堂安律(フローニンゲン)や冨安健洋(シントトロイデン)らを擁した2年前の同予選で日本は世界切符を獲得しているが、その前は4回続けて8強の壁に阻まれた。「今まで何年間も苦渋をなめ続けてきた」と影山監督も負の歴史を改めて振り返る。そこから2年前にようやく抜け出した日本がやらなければならないのは、U-20ワールドカップ常連の座を取り戻すこと。

 そのためにも、完全アウェーのインドネシア戦に勝たなければならない。今大会3得点の斉藤光毅は同じゴール数を記録している宮代大聖(川崎U-18)と2トップを組むことが有力視されるし、久保の方も安部裕葵(鹿島)と2列目を結成する可能性が高い。つまり、17歳コンビが攻撃のキーマンになると見られるだけに、彼らにはここまで3試合で見せたパフォーマンスをより一層、引き上げてもらう必要がある。

「満員のスタジアムで環境は変わりますけど、自分たちがやることは1つ。僕自身、大舞台ではメッチャ緊張するけど、それで気合を入れて『走るぞ』『やるぞ』って感じに変えられると思う。ポジティブに捉えられればいい」と斉藤は強心臓な一面をのぞかせた。物怖じしないという意味では幼い頃から注目されてきた久保も大いに計算できるところ。そんな新世代の若者たちが日本を世界へと導く姿を、3日後の大一番ではぜひとも見せてほしいものだ。

(取材・文:元川悦子【インドネシア】)

【了】

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