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日本代表 6年前

久保建英&斉藤光毅、最年少コンビが開くU-20W杯への扉。強心臓はキング・カズ譲り?

text by 元川悦子 photo by Getty Images

チーム最年少コンビの華々しい活躍

 一方の久保は、開始早々の滝の1点目を右からのドリブル突破からお膳立て。田川のゴールシーンでも、荻原の左からの折り返しの場面で相手DFを引き付けてスルーし、田川が余裕を持ってシュートを打たせる状況を作った。イラクも知名度の高い彼をマークしていたため、前半45分間だけで3度も削られ、ピッチ上に倒れ込んだが、決して弱音を吐かず、勇敢に起き上がって、後半15分に菅原由勢(名古屋)と交代するまで敵陣に迫り続けた。試合後、外国人記者に英語で質問され、堂々と答えるあたりも豊富な海外経験によるもの。この立ち振る舞いは普通の日本のユース年代の選手とは明らかに異質だ。

 ここまで1ゴールという結果は本人にとっては満足いくレベルではないかもしれないが、北朝鮮戦の直接FK弾のインパクトはあまりに大きい。そういった記憶に残る仕事ができる選手がいるのは心強い限りだ。

 2001年生まれの2人は、99年の早生まれの田川や齊藤未月(湘南)より4学年下。次のU-20ワールドカップにも出場資格がある飛び級選手だ。17歳コンビをあえて3試合続けて送り出した影山監督は「たまたまかな」と含みを持たせた言い方をした。ただ「彼らはいろんなポジションでできるプレーヤー。それでここにギリギリで入れているのもある。非常に戦い方や戦術を理解してプレーしてくれている」と高評価。だからこそ、わざわざ全試合に出しているのだろう。

 チーム最年少の選手が華々しい活躍をすれば、チーム全体に刺激がもたらされる。それは森保一監督率いる新生日本代表を見ても分かることだ。影山ジャパンのヤングタレントたちは「サッカーに年齢は関係ない」という強気の姿勢を貫いているからさらに痛快だ。

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