3バックの新たな守備戦術とは? 名DFが解説する3-5-2システムの“狙い”【岩政大樹の守備解体新書】

どの時代のフットボールでも多数派となってきた「4-4-2」。11/6発売の『フットボール批評issue22』では、元日本代表の岩政大樹氏が4-4-2が主流であり続ける理由とともに、「4-4-2以外」の中から3バックの守備戦術を解説している。一部を先行して公開する。(文:岩政大樹)

2018年11月05日(Mon)10時00分配信

text by 岩政大樹 photo Editorial Staff
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かつての3-4-1-2と現在の3-1-4-2の違い

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岩政大樹氏【写真:編集部】

 ここ最近、特にクラブチームで採用されることが多くなっている3-5-2のシステムも面白い。3-4-3と併用されることも多いが、ドイツの新進気鋭の若手監督、ナーゲルスマンとテデスコが3バックを好んでいることは興味深い。

「4-4-2以外」で以前多かった3バックはトップ下を置く3-5-2(3-4-1-2)だったが、最近の3-5-2で多いのは3-1-4-2だ。このシステムもパスルートの誘導が明確だ。守備のスタートは5-3-2。先ほどのリバプールの4-3-3とは逆で、ボランチにボールを入れさせないのが守備のはじめの一歩だ。

 5-4-1(3-4-3)では守備のスタートで前線が一枚になってしまうため、前述したように意図的な誘導がしづらい。しかし、5-3-2であれば、2枚で相手センターバックに規制をかけられるので、相手は簡単にボランチにパスをつけられない。相手センターバックに見えるスペースは自ずとサイドに限られるので、ほとんどの場合、外(サイドバック)への選択をすることになる。

 その時に以前の3バックと違うのは、ウイングバックの選手がかなり長い距離をスプリントして相手サイドバックまでプレッシャーに出てくるということ。後ろにいる相手のサイドハーフ(ウイング)の選手は3バックがスライドして対応し、前に出てくることを決して恐れない。

 恐れないのは、チームとして誘導するパスルートが明確だからだ。出てきたウイングバックは縦方向からプレッシャーをかけ、内側に誘導していく。内側にはツートップと3人の中盤の選手が待ち構える。相手が困ってセンターバックやゴールキーパーにボールを下げたら、そのままツートップがプレスをかけていくのが、チームとしての“1つ目の狙い”だ。

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