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日本代表 5年前

司令塔・柴崎岳、ベネズエラ戦で示すべき底力。異彩を放ち、日本をアジア王者へ導くか

text by 元川悦子 photo by Getty Images

柴崎岳の責務

柴崎岳
アジア杯とロシアW杯に出場した柴崎は、司令塔として異彩を放てるか【写真:Getty Images】

 今回、対峙するベネズエラは「テクニックとスピードを誇るチーム。柔軟な戦術で戦うこともできる」とラファエル・ドゥダメル監督も語っていたが、そういう相手に日本が多彩な戦いを見せられれば、チームとしてさらに一歩、ステップアップできる。アジアカップとロシアワールドカップという大舞台を経験した柴崎にはチームをその方向へと導く責務がある。

 とりわけ、攻撃の組み立てに関しては、2列目トリオがタテへの推進力を強く押し出すタイプであるだけに、背番号7のゲームコントロールがより必要になる。ロシアで戦った時の日本代表はゲームメークにも加わるトップ下の香川真司がいたし、乾貴士も中に絞ってボールを落ち着かせていたから、柴崎の負担は軽減された。

 が、今は前線4枚全員が純粋なアタッカー。その分、遠藤航とともにチーム全体を確実にコントロールする必要がある。柴崎が真の司令塔として異彩を放ってくれれば、8年ぶりのアジア制覇も現実味を帯びてくるはずだ。

 長谷部誠という絶対的ボランチが代表を退き、青山という森保監督の秘蔵っ子がいない今、柴崎の状態に不安が増大するようでは、ボランチ陣の手薄感が顕著になり、アジアカップに向けて暗雲が立ち込める。そんなネガティブな状況を回避するためにも、彼は底力を示すべき。森保体制4連続勝利という結果を残すことにも努めてほしいものである。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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