名波ジュビロ、筋書き変えたのは自分たち? 弱点を露呈・・・J1残留へ切り替え以上に大事なこと

2018年12月03日(Mon)11時10分配信

text by 青木務 photo Getty Images
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最高のシナリオを書き換えたのは磐田自身?

 粛々とプランを遂行した磐田は、川崎Fからリズムを奪った。少なくとも前半は、相手に『いつもと違うな』と思わせることができていた。上原力也、田口泰士のダブルボランチは距離感を保ち、縦パスのコースを塞ぐ。一人が動けばもう一方がスライドし、“門”を開けない。

 それでもパスを入れられそうになると、左サイドハーフでスタメン出場した山田が気を利かせてポジションを下げる。山田の活動量は出色で、両チーム最多の11.686kmを走破。背番号19は危険を察知しては周囲を助け、攻撃でも力を振り絞っていた。彼個人の頑張りでチームが踏みとどまる試合が、今シーズンは多かった。

 この日の磐田には運もあった。後半立ち上がりにカウンターから完璧に崩されるも、フリーで走り込んだ長谷川竜也のシュートは大きく外れた。1点もののピンチを回避すると78分、途中出場の松本昌也が右サイドを突破し、大久保嘉人がヘディングシュートを叩き込む。古巣戦となった大久保のゴール、チーム全体の粘り強い守備で勝利と残留を手繰り寄せる――これ以上ないシナリオだった。

 当然、川崎Fはこのままでは終わらない。しかし、出来すぎたフィナーレを書き換えたのは磐田自身でもあった。

 今シーズン、磐田はセットプレーから多くのゴールを奪われている。PKや二次攻撃を含めると、その数字は16にのぼる。マークを外され、勢いを持って入ってくる相手のパワーをモロに受けてしまう。川崎F戦でもニア、ファーに蹴り分ける中村憲剛のキックと味方の動きに磐田の選手たちは翻弄された。

 そして83分、ニアに走り込んだ奈良竜樹に頭で決められ、1点目を失う。マークを担当した大井健太郎が相手にブロックされるも笛は鳴らない。次の瞬間、自由を得た奈良はストーンの川又堅碁の上からシュートを決めていた。

「試合前、それからホテルでも口酸っぱく言ってきたのは、セットプレーの失点はゲームを壊すということ。それで失点してしまったのが一番もったいないところだった」(名波監督)

 磐田のセットプレーにおける守備は研究し尽くされた感があり、まんまとやられた格好だ。

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