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チェルシーがもぎ取った価値ある勝利。王者・マンCを完封、眩い輝きを放った2人の戦士とは

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

劣勢の中で生まれた大きすぎる1点

チェルシー
劣勢の中で奪った1点は、チェルシーにとって大きなものとなった【写真:Getty Images】

 8分には中盤でジョルジーニョからボールを奪うとショートカウンターを開始。左サイドのD・シルバのクロスからスターリングがシュートを放つなど、試合開始からチェルシーに猛烈なプレッシャーを与えたのである。

 反対に、チェルシーがカウンターを仕掛けようと試みても、アウェイチームの素早いプレスにより、簡単にゴール前まで運ぶことができない。E・アザールがボールを持つことにより、キープできる時間を長く作ることはできたが、以降の組み立ての部分では効果的なアイデアを発揮できていないようにも思えた。

 その後もシティに押し込まれるホームチーム。守備陣は集中し、なんとかゴール前で相手の攻撃を跳ね返すが、セカンドボールをことごとく拾われ、二次攻撃を受ける展開が続く。チェルシーにとっては打開策が見つからず、ただ耐えるしかなかった。

 そんな状況が続き、スコアレスのまま後半へ突入するかに思われたその時、まさかのチェルシーが試合を動かしたのである。44分、ペナルティエリア左でボールをキープしたE・アザールが中を確認すると、ややマイナス方向へグラウンダーのクロスを上げる。それを、後方から走り込んできたカンテが右足で合わせ、ゴールネットを揺らしたのである。

 前半終了間際の先制点。チェルシーにとっては大きすぎる1点となった。事実、前半のうちにチェルシーが放ったシュートは、この1本のみだったのだから。45分間のボール支配率もわずか37%。そのような状況で生まれたこの1点の重みは、誰よりも選手たちが感じていたことだろう。

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