ロイス不在でも機能したシステム
マルコ・ロイスはいなかった。だが、“ロイス・システム”は機能し続けた。11日に行われたチャンピオンズリーグ、グループAの最終戦。南仏に渡ったボルシア・ドルトムントは、いわば“Bチーム”でモナコと戦った。
いつもと変わらない[4-4-2]の布陣。しかし、中身はまるで違った。GKはマルヴィン・ヒッツ。DFラインは右SBアクラフ・ハキミ、右CBエメル・トプラク、左CBアブドゥ・ディアロ、左SBマルセル・シュメルツァー。中盤はマフムート・ダフート、ユリアン・ヴァイグルのダブルボランチと、左右のSHにラファエル・ゲレイロとクリスティアン・プリシッチ。そしてワントップにマキシミリアン・フィリップ、セカンドトップにマリオ・ゲッツェだ。
キー・プレイヤーのロイスのいない“ロイス・システム”。しかし、その骨組みがぐらつくことはなかった。どこかリラックスした様子の選手たちは、攻守にスムーズな連動性を発揮。“Bチーム”にありがちな連系面でのたどたどしさはなかった。
もっとも、対戦相手のモナコに、そもそもこの試合に対するモチベーションがあったのかどうか疑わしい。ティエリ・アンリ監督率いるチームは、11月上旬の第4節を終えた時点にはグループリーグ敗退が決まっていた。11月下旬の第5節を終えた時点では、ヨーロッパリーグに回る可能性も絶たれている。モナコからすると、ドルトムント戦は正真正銘の消化試合に過ぎなかった。
3分にはCBブノワ・バディアシルが、ボランチのアイ・ベナセルに向けて、“気の抜けた”パスを出す。フィリップがカットしてそのままゲッツェに送る。ロイスに代わって腕章を巻いた背番号10は、ドリブルでペナルティエリア内に進んでシュートを打つ。ボールは枠を左に逸れたが、モナコのモチベーションの欠如が如実に現れた場面だった。