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ドルトムントが前節の敗戦から学んだこと。勝ち切った天王山、取り戻した挑戦者の姿勢

text by 本田千尋 photo by Getty Images

首位でウインターブレイクへ

 前半の終了間際には、右サイドを突かれて1点を返されたドルトムント。だが、その失点が元で守備が崩れることはなかった。ボールを失った後のカウンターに対する警戒は強く、集中は途切れない。すると54分、右サイドのゲッツェからのスルーパスを、ファーでロイスが押し込んで勝ち越し弾。最後尾のヴァイグルから繋いだ速攻で、一挙にボルシアMGのゴールを陥れた。

 後半に入ってもドルトムントの[4-4-2]のブロックは固く、64分には縦パスに対してウカシュ・ピシュチェクがタイトな守備を見せるなど、最後まで高い集中を保ち続けた。必死で勝利をもぎ取ろうとする様は、まさに挑戦者そのもの。3日前にフォルトゥナが示した姿勢。ボルシアMGを相手に、ドルトムントが体現した。

 試合後、マリオ・ゲッツェは次のようなコメントを残した。

「グラッドバッハを相手に、ホームで2-1で勝ったことは、ウインターブレイクに入るにあたってポジティブな効果がある。僕たちはデュッセルドルフで負けたから、勝利したことはとても重要だった。今日、僕たちは1つのリアクションを示したけど、それは大切なことだったね」

 勝ち点を42に伸ばし、ボルシアMGに9ポイントの差を付けたドルトムント。22日の試合でバイエルン・ミュンヘンがアイントラハト・フランクフルトに勝ったとしても、2位には6ポイントの差を付けてウインターブレイクに突入することができる。心理的な余裕は、冬の合宿でのより高い集中を促すだろう。

 そしてゲッツェは、連敗しなかったことを強調した。ボルシアMG戦でドルトムントは、決して敗北を引きずらず、挑戦者としての貪欲な姿勢を取り戻した。ロイスは「このチームを誇りに思う」と語った。

 首位を独走中とは言え、ドルトムントは今シーズン、まだ何も成し遂げていないのだ。

(取材・文:本田千尋【ドイツ】)

【了】

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