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柴崎岳、今冬ヘタフェ退団か。4ヶ月ぶり先発…現地直撃取材で解き明かす歴史的快進撃の裏側

text by 舩木渉 photo by Getty Images, Wataru Funaki

本人直撃。柴崎は何を語った?

ヘタフェ
練習場が併設されているヘタフェの本拠地コリセウム・アルフォンソ・ペレスの外観【写真:舩木渉】

 ボルダラス監督は「ガクは非常に誠実で、全てを尽くし、真剣に取り組んでくれている。彼はここにいる時なら頼りにできるが、いない時は我々が何をするかだ。クラブや指導者にとって、これだけ長い期間(1ヶ月)も選手がチームを離れるのは好ましくないが、アジアカップの日程がそうなっている以上は仕方ないし、その期間は彼を失うことになる。我々は他の選手を見つけなければいけない」とソシエダ戦後に話していた。

 この言葉がどうも引っかかる。もし後半戦も柴崎を戦力として数えているなら、選手層が充実しているボランチ以外のポジションで使える見込みが試す価値はある。一方で冬の補強の噂がすでに表に出ている中で、チーム内も含めて「他の選手」にも言及しているのである。日本代表合流による長期の戦線離脱が決まっている中でなぜ重要ポジションに抜てきしたのかも判然としない。指揮官が柴崎を戦力としてどのように見極めているのか、その頭の中を読むにはソシエダ戦の次の試合、つまり21日のジローナ戦がカギになる。

 では、柴崎本人は突然先発のチャンスを与えられたことで、ボルダラス監督からどんなメッセージを受け取り、どんな解釈を自らのプレーに反映させ、ピッチの上で何を見せようとしていたのか。10月の日本代表合宿でクラブでの状況について問うた際、「ヘタフェのことはスペインに来て聞いてください」と話した。彼のこの言葉がずっと頭の中に残っていて、それだけを信じて真意を確かめるべくオフが明けた17日の練習に足を運んだ。

 ところが軽めの調整だった練習を終えてグラウンドからロッカーに戻る道を1人で歩く柴崎に取材しようと声をかけると、「すみません」と一言。そこで日本代表合宿でのあの言葉をぶつけると、再び「すみません」と遮って、何も語ることなく早足で扉の中へと消えていった。

 そんな折、スペインでは『ラジオ・マルカ』が「柴崎とルベン・ヤニェズ、セルジ・グアルディオラが冬の放出候補だ」と報じた。ヤニェズはレアル・マドリー出身の現第3GK、グアルディオラは今夏ヘタフェに加入するも事実上の戦力外状態にあるストライカーだ。

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