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日本代表 5年前

植田直通と豊川雄太の対峙、これぞ「運命」。高校&鹿島で同期、欧州で親友は最高のライバルに

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「たぶんもう運命でしょうね」(豊川)

 2度目の対戦を終えた豊川は「たぶんもう運命でしょうね」と、笑顔を見せる。そして「中学校のトレセンから一緒ですし、俺がプロに行けたのもあいつがいて、いろいろなスカウトがあいつを見に来ていたところで…というのがあるので」と続けた。

 植田がいなければ、鹿島に入れていないし、今ヨーロッパでプレーしている自分はいなかったかもしれない。豊川はそう感じている。「植田は吊りさがっているボールをずっとヘディングしていた思い出しかない」と冗談を言って笑うが、心の底から信頼しあえる無二の親友に変わりはない。

 一方、10年来の戦友とのマッチアップで2連敗となってしまった植田は「あいつには決められませんでしたけど、負けたというのは本当に悔しい」と充実感漂う表情で語った。序盤のゴールが響き、セルクル・ブルージュはあまりいいところを見せられないまま0-1で敗れた。

「本当に嫌な相手ですよ。本当に。前やった時もそうでしたけど、ああいう一瞬でも隙を見せたらそこを狙ってくるようなプレースタイルだから、常にあいつのいるところを確認しながら見ていました」

 豊川はオイペンの1トップに入って、積極的に仕掛け続けた。Jリーグ時代は2列目のアタッカーのイメージが強かったが、今は全く違う。自分よりも大柄なDFに対しても果敢に勝負を挑み、必死にボールに食らいつく。最終ラインと駆け引きし続け、チャンスを虎視眈々と狙ってていた。

 これまではチームメイトとして見ていたところから、対戦相手になってみて、植田は豊川の明らかな変化を実感していた。

「(豊川とプロで)一緒にやっていたのは鹿島の時だけだったので、そこから岡山に行って、オイペンに行って、かなり成長したなと思う。それが今こうやって結果に出ていて、オイペンのエースとして出ているし、やっぱり試合を一緒にやってみても、すごく怖い選手になったなと僕は思っています」

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