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Jリーグ 5年前

神戸、軒並み低評価も今季は“試運転”。イニエスタ、ビジャ、リージョ…真の変革は来季【2018年Jリーグ通信簿】

今シーズンのJ1リーグも全日程が終了した。この1年を振り返り、各クラブはどのようなシーズンを過ごしたのだろうか。今回は、アンドレス・イニエスタが加入したヴィッセル神戸の今季を振り返る。

シリーズ:2018年Jリーグ通信簿 text by 編集部 photo by Getty Images

世界一の選手が降臨

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ヴィッセル神戸【写真:Getty Images】

 川崎フロンターレのリーグ2連覇や、鹿島アントラーズのAFCチャンピオンズリーグ制覇も今季の重大トピックだ。そんな中、10位のヴィッセル神戸もインパクトを残した。

 主体的にボールを動かす戦いを標榜した神戸だが、シーズン序盤における彼らの武器はウェリントンと渡邉千真の強力2トップだった。彼らへシンプルにボールを集めることでチャンスを作っていく。この攻撃がハマり、5月には2連勝も果たしている。

 クラブが変革へと舵を切ったのは7月のこと。アンドレス・イニエスタが加入したのだ。バルセロナとスペイン代表で世界の頂点を極めた天才は第17節・湘南ベルマーレ戦で初出場を果たすと、随所にワールドクラスのプレーを披露。そして第21節・ジュビロ磐田戦では圧巻のターンで相手を手玉に取り初ゴールを記録。また自身のプレーで違いを見せるだけでなく、味方の能力も引き出していった。

 さらに9月には体制が変わった。3連敗を喫したことで吉田孝行監督が事実上の解任となり、後任には奇才ファン・マヌエル・リージョ氏が就くことになった。リージョ監督体制がスタートしたのは第29節のV・ファーレン長崎から。初陣を1-1で引き分けると、続く川崎フロンターレ戦では王者を相手に打ち合いを演じ、3-5と敗れた。

 サッカーのスタイルだけでなく指示の内容も変わる中、チームは新たなものを身につけようとしていた。そして、第31節・名古屋グランパス戦を2-1とモノにすると、最終節まで負けなしで進んでいった。

 イニエスタやルーカス・ポドルスキが際立つチームではあるが、他の選手たちも成長を遂げた。夏に加入した古橋亨梧は持ち前のスピードと突破力でイニエスタからのパスを引き出し、若手の郷家友太もアグレッシブなプレーで可能性を感じさせた。神戸の“革命”は来季も続くはずで、今後が楽しみなチームである。

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