フットボールチャンネル

日本代表 5年前

日本代表、トルクメニスタンは未知との遭遇。波乱含みのアジア杯、初戦の怖さと攻略法は?

text by 河治良幸 photo by Wataru Funaki , Getty Images

森保ジャパンのキーマンは…

 トルクメニスタン戦における攻撃のキーマンは南野だろう。中央の狭いエリアで味方からパスを引き出し、鋭く正確にターンできる南野はトルクメニスタンのディフェンスにとって最もやりにくいタイプなはず。トルクメニスタンがアジアカップ仕様で、これまでの試合より自陣で守備を固めたとしても、コンビネーションプレーから南野のターンが決まれば、高い確率で危険なシュートに持ち込めるはずだ。

 また本来は前線の絶対的な主力である大迫勇也が別メニュー続きで、負傷の浅野拓磨に代わる追加招集の武藤嘉紀もチーム合流がトルクメニスタン戦の3日前になったため、北川航也がスタメン起用される可能性が高い。北川は大迫ほど力強いポストプレーは見込めないが、2列目の選手と近い距離感で即興的な崩しに絡むことができ、狭いエリアの技術も正確だ。

 南野とのコンビネーションが合えば相手のセンターバックが構えていても、一瞬外してシュートできるため、トルクメニスタン戦では南野に次ぐ得点源になりうる。もちろん右サイドの堂安律がカットインで入り込んでいくプレーも強力なオプションになるが、距離感やバランスをうまく共有しながら崩しのバリエーションを発揮したい。

 その中で気をつけたいのは、バイタルエリアでの危険なタックルだ。もちろん高い位置でファウルを受ければ直接フリーキックからゴールチャンスを得ることができるが、負傷のリスクもある。トルクメニスタンのセンターバックは体格が良い上にリーチが長く、少し遅れ気味に足が出ても接触されるリスクがある。南野はヨーロッパリーグなどで、そうしたラフなディフェンスも経験しているはずだが、北川はJリーグの良くも悪くもフェアなディフェンスに守られている部分がある。

 順当に勝利できたとしても、23人で7試合を戦い抜くことを考えれば初戦で負傷者が出るダメージはかなり大きい。もちろん負傷を恐れて消極的なプレーになってはいけないが、Jリーグでやっている以上に深く削ってくるタックルが来ることは想定して臨んで欲しいところだ。

(取材・文:河治良幸【UAE】)

【了】

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top