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日本代表、W杯の悪夢は繰り返さない! 2-0から3-0へ。ベルギー戦の教訓と成長の証

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

日本代表
イラン代表に勝利し、決勝進出を決めた日本代表【写真:田中伸弥】

【日本 3-0 イラン AFCアジアカップ2019・準決勝】

 日本代表は現地時間28日、AFCアジアカップ2019・準決勝でイラン代表と対戦し、3-0で勝利を収めている。この結果、森保ジャパンは決勝戦に駒を進めることとなった。

 アジアカップ5試合で無失点を誇っていたイラン代表の堅守を前に、日本代表は苦戦した。最後まで身体を張った相手の守備陣に対し、森保ジャパンの攻撃陣は打開策を見出すことができず、前半を無得点で終えた。

 しかし後半、相手の一瞬の隙を突き大迫勇也が先制点を挙げると、その後も背番号15がPKを沈めるなど、リードを2点に広げたのだ。それまで堅守を誇っていたイラン代表に対し2度もゴールネットを揺らしたことで、日本の選手は大きな自信を手に入れたことだろう。

 それと同時に、この2-0というスコアは危険なものであるということもわかっていたはずだ。とくに、ロシアワールドカップに出場した選手からすれば。

 ロシアW杯・決勝トーナメント1回戦。日本代表は世界屈指のスター軍団であり大会の優勝候補であったベルギー代表と激突した。試合はベルギー優勢で進むかに思われたが、立ち上がりから日本が安定した戦いを見せ、相手を大いに苦しめた。そして原口元気が先制点を奪うと、直後に乾貴士が追加点。世界屈指の強豪国相手に2点のリードを奪い、観る者を驚かせたのだ。

 しかし、2点を叩き込まれたベルギーが完全に目を覚ましたことで、その後は相手の勢いに圧倒され、押し込まれる時間帯が続いた。そしてヤン・フェルトンゲン、マルアン・フェライニにゴールネットを揺らされ、一気に同点に追いつかれた。さらにアディショナルタイムには高速カウンターからナセル・シャドリに逆転弾を許し、2-0から一転、2-3とされベスト16敗退に追い込まれたのだ。

 そのため、2-0からの試合運びという点は、日本にとって大きな課題だった。イランもベルギーほどの力がないとはいえ、スコアをひっくり返すだけのクオリティを秘めているのは明らかだった。

 しかし、日本はロシアW杯の敗戦を無駄にしないという気持ちを押し出し、リスクを恐れず果敢に前へ飛び出すなど、決して引けの態勢を取らなかったのだ。そして後半アディショナルタイムに原口がゴールネットを揺らし、3-0。試合はそのまま終了している。

 2-0から3-0にし、そのまま終了のホイッスルを聞く。日本にとってはこれ以上ない試合運びだった。この結果は、森保ジャパンにしてみれば大きなプラス要素となったはずだ。

 ロシアW杯の悪夢を繰り返さなかった。これは、日本代表にとって一つの成長の証と言えるのではないだろうか。

【了】

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