香川真司がドルトムントで愛された日々。まるで「家族」のように…少年から大人へ、迎えた別れの時

香川真司のベシクタシュへの期限付き移籍が発表された。2010年にドルトムントに加入した香川を監督、選手、地元の人々は「家族」のように愛した。それはマンチェスター・ユナイテッドに在籍した2シーズンでも変わらなかった。香川がドルトムントで歩んだ日々を振り返る。(取材・文:本田千尋【ドルトムント】)

2019年02月01日(Fri)11時30分配信

text by 本田千尋 photo Getty Images
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監督も選手もファンも親しみを込めた「シンジ」

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ドルトムントで愛された香川真司【写真:Getty Images】

 熟すればやってくる、別れの時――

 2019年1月31日、香川真司のトルコ1部所属、ベシクタシュJKへの期限付き移籍が決定した。契約期間は今季終了まで。買い取りオプションが付いているという。

 ひとまずボルシア・ドルトムントでの戦いの日々から離れる時が来た。10/11シーズンからBVBに加入した香川は、鮮烈なインパクトを残してブンデスリーガ2連覇に貢献すると、12/13シーズンからの2年間、イングランド北部の名門マンチェスター・ユナイテッドに移籍。だが2季目以降は結果を残せず、14年8月の終わりに、ちょうど季節が夏から秋に移ろうとする頃、ドイツ西部のルール地方を代表するクラブに復帰した。

 再デビュー戦となった9月13日の対SCフライブルク戦で早速1ゴールを決め、チームと勝利に導くと、ゴール裏の黄色い壁を揺り動かし、ユルゲン・クロップ監督を驚嘆させた。

 1度はクラブを後にした選手が、再び熱狂をもって迎え入れられる様子は、まるで独り旅に出て傷つき、帰ってきた我が子のために温かく戸口を開ける「家族」のようだった。後にクーバことヤコブ・ブワシュチコフスキは、「あの頃BVBはクロップを父とする家族のようだった」と振り返っている。

 「シンジ」――。ドイツ人にとっても発音しやすいファーストネームは、そのままドルトムントでの愛称となった。クロップ、トーマス・トゥヘルといった監督たち、ケヴィン・グロスクロイツやマルセル・シュメルツァーといった選手たち、そして無数の黄色いファンが、香川のことを「シンジ」と親しみを込めて呼んだ。はるばるドルトムントまで観戦に訪れた日本人旅行者は、よく酔いに紅潮したファンたちから「シンジ~!」と絡まれたものである。

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