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Jリーグ 5年前

桐光学園の逸材、西川潤をちょっぴり“大人”にしたひと冬の経験。「2年生10番」が上がる成長の階段

text by 藤江直人 photo by Getty Images

ドイツでの経験が生きたネクストジェネレーションマッチ

 Jリーグの開幕に先駆けて今月16日に行われた富士ゼロックス・スーパーカップ。その前座となるネクストジェネレーションマッチで、西川は2年生にして日本高校選抜の「10番」を託され、全国高校サッカー選手権でプレーすることがかなわなかった埼玉スタジアムのピッチに立った。

 そして、1点のビハインドで迎えた後半終了間際。こぼれ球を拾うと迷うことなく縦へのドリブル突破を仕掛け、強引に前へ抜け出しながら左足を一閃。強烈なシュートは相手DFに当たってコースを変えたこぼれ球を、青森山田高からいわきFCへ加入したFWバスケス・バイロンが押し込んだ。

「事故が起こればいいかな、という気持ちを込めて蹴りました。本当に事故が起こってくれたので、思い切りのよさがいい方向に出たと思っています」

 こう振り返った西川はほとんど初顔合わせだったチームメイトたちへ、自らのプレースタイルを積極的に伝え、パスがほしいタイミングなどを何度も要求したという。レバークーゼンへの練習参加で手にした新たな自分を、さっそく日本でも発動させたわけだ。

 本来のカテゴリーであるU-17ワールドカップに加えて、東京五輪へとつながるU-20ワールドカップへも「飛び級」での出場を目指す2019年。もちろん絶対的エースとして桐光学園をけん引し、国内外のクラブが参戦するであろう争奪戦のなかから卒業後の進路も決める。

 成長への階段を駆け上がっているからこそ、西川を待つスケジュールも必然的に過密になる。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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