物足りないマドリーの攻撃力
一方でマドリーにはバルセロナのような脅威というものを感じることはできなかった。攻撃の中心にいたのはヴィニシウス・ジュニオールで、彼のいる左サイドからの攻めがほとんどだった。事実、攻撃のおよそ43%が同サイドからのものとなっており、V・ジュニオール頼みといった印象は否めず。同選手は持ち味であるスピード、テクニックを前面に押し出して局面の打開を試みたが、結果的には不発に終わった。
右サイドのガレス・ベイルにも注目が集まったが、同選手は完全に存在感を消され、バルセロナの脅威となることはできなかった。右サイドを起点としたシュートはなんと0%に終わっているなど、ベイルの出来は最悪。
背番号11は62分にマルコ・アセンシオと交代という形になったが、その際にはサンティアゴ・ベルナベウから凄まじいブーイングが鳴り響いた。データサイト『Who Scored』でも両チーム合わせて最低点となる「6.2」が与えられている。
1点を追いかけるマドリーは後半に入りアセンシオやイスコを投入するなど反撃を狙ったが、得点の匂いをあまり感じることはできなかった。マドリーはシュート数こそ17本放ったが、枠内に飛んだのはわずか7本のみ。バルセロナの3トップとは違い、マドリーの3トップは少し静かな印象だった。
V・ジュニオールを起点とした左サイドからの攻めも時間が経つにつれ単調になり始め、バルセロナの選手たちも守り慣れしたのか、ことごとくマドリーの攻めをはじき返した。無得点のまま試合は終了したが、納得のいく結果だったのではないだろうか。
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