JFL鈴鹿、男子チームにスペイン人女性監督を。異例の人選が呼ぶ“奇跡”へ、壮大な挑戦が始まる

JFL昇格を果たした鈴鹿アンリミテッドFCは、スペイン人女性のミラグロス・マルティネス監督を招聘した。なぜ、前例のない人選を行なったのか? クラブが描くビジョンと男性監督にも並ぶキャリアを持つ指揮官の素顔に迫った。(取材・文:藤江直人)

2019年03月17日(Sun)10時00分配信

text by 藤江直人 photo Naoto Fujie
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不安を一掃したマルティネス監督の人柄

ミラグロス・マルティネス
鈴鹿アンリミテッドFCを率いるミラグロス・マルティネス監督【写真:藤江直人】

 三重県四日市市の名物グルメ、トンテキ丼がお気に入りになって久しい。全国的に有名な同津市の鰻にも、美味しいと舌鼓を打った。JFLの開幕を目前に控えた鈴鹿アンリミテッドFCの女性指揮官、スペイン人のミラグロス・マルティネス監督は異国の地での生活にすっかり順応している。

「時差にも文化の違いにも、すぐに慣れることができました。昔から旅行が好きで、その先々の食べ物にも積極的にトライしてきたんですけど、お味噌汁だけはちょっと苦手ですね。あとはすべてにおいて満足していますし、快適に過ごすことができています」

 笑顔を浮かべながら日本での日々を振り返る、33歳のマルティネス監督が来日したのが1月14日。鈴鹿の吉田雅一常務取締役らが抱いていた一抹の不安は、中部国際空港セントレアの到着階ロビーに新指揮官が姿を現した直後に吹き飛ばされた。

 地元・三重県のメディアだけでなく、出迎えに駆けつけたファンやサポーターに対しても、マルティネス監督が長旅による疲れを見せることなく、丁寧に対応していたからだ。吉田常務取締役が偽らざる胸中を明かす。

「取材にも笑顔でずっと答えていましたし、ファンやサポーターの全員に対しても嫌な顔ひとつ浮かべずにサインしていました。メールでやり取りはしていましたけど、来日するまでは実際に会ったことがなかったので。とにかく明るくて気さくな性格で、本当によかった、と」

 鈴鹿のフロントの然るべき人物がスペインへ渡り、顔を合わせて交渉を重ねていくのが本来の流れとなる。しかし、メールによるオファーを受け取ってからほとんど時間を置くことなく、マルティネス監督は海外で男子チームを率いることを決意。最初の接触から1ヵ月後には来日した。

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